ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのジェレミー・シーゲル名誉教授は、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げのペースが早すぎ、
このままではリセッションリスクが極めて高くなると指摘しています。
現在の最大の脅威はインフレではなくリセッション
ジェレミー・シーゲル氏はFRBの利上げに関して、CNBCのインタビューで以下のように語っています。
「もっと、もっと早く引き締めを始めるべきだった。
しかし今は、彼らがブレーキを強く踏みすぎているのではないかと心配している」「振り子が反対方向に大きく振れすぎた」
「彼らが言っているように引き締めを続け、来年初めまで利上げを続ければ、景気後退のリスクは非常に高くなる」
「公式データは通常 1 か月遅れており、実体経済で起こっている変化をすぐには示さない可能性がある」
「インフレの大部分は過去のものとなり、現在の最大の脅威はインフレではなくリセッションだ」
「金利はインフレ率を2%まで引き下げるのに十分なほど高く、最終金利またはエンドポイントは3.75%から4%の間である必要があると考えている」
9月にFRBは基準金利をさらに4分の3ポイント引き上げ、2008年初頭以来の高水準となる3%~3.25%の範囲に設定した。
さらに中央銀行は、2023年の最終金利が4.6%まで上昇する可能性があることを示唆している。
「それはあまりにも高すぎると思います。政策の遅れを考えると、それは本当に収縮を余儀なくされるでしょう」
来年2月に金利の目標範囲が4.5%から4.75%に達する確率は58.3%に達している。
「もし彼次第であれば、11月に金利を0.5ポイント引き上げ、それから様子を見るだろう」
「しかし、センシティブな商品価格、資産価格、住宅価格、さらには賃貸価格を見ると、上昇ではなく下落しているように感じます」
カンザスシティ連邦準備銀行のトーマス・ホーニグ元総裁はFRBの利上げに関して、以下のように語っています。
「私自身の見解は、金利を上げなければならないということだ。もしインフレ率が8%なら、もっと高くする必要がある」
「2023年の第2四半期や第3四半期にインフレを再燃させるような、早すぎる後退は避けなければならない」
まとめ
ジェレミー・シーゲル氏などが語る「FRBの急速な利上げによるリセッションリスク」についてご紹介をしました。
現状としては、
FRBの利上げが遅れた結果、”急激”な利上げを強いられ、それがリセッションリスクを高めてしまっている。
ということです。
FRBは初めの失敗により、より難しいカジとりを迫られています。
インフレをおさえるために利上げはしなければいけないが、利上げをしすぎると大規模なリセッションに陥ってしまうという。どっちつかずの難しい状態です。
9月の雇用統計は堅調で、FRBは前回の会見で利上げについてあれほど強気に話していたので、次回も0.75%に上げるのでしょうか。
世界経済はパウエルさんの手腕にかかっているといっても過言ではありませんが、来年のアメリカの成長率はマイナスという予想も出始めています。
よいニュースはありませんので、仕込みの時期だと割り切りコツコツとやっていきましょう。
ジェレミー・シーゲル氏の名著は米国株をする方であれば必読です。
コメント