FIRE・早期退職に用いられる一般的な戦略は「ひどい考え方」であるとアメリカのファイナンシャルプランナー(FP)が指摘しています。
一般的なFIRE・早期退職の戦略は「ひどい考え方」
CNBCが語った一般的なFIREの戦略が機能しない理由と対応策です。
一般的なFIREの戦略
ごく一般的なFIREの戦略はトリニティスタディという研究によって導き出されたもので簡単に書くと以下の内容となり、高い確率で資産を減らすことがないとされています。
・退職後に必要な年額の25倍の資産を作る
・資産を株式、債券などで運用した4%(インフレ調整後)のリターンで生活することができる
インフレ調整後のポートフォリオが年間4%あれば、資金不足になることなく安全に引き出せるという考えに基づいています。
この「4%ルール」は、1998年に発表された「トリニティ・スタディ」と呼ばれる調査報告書に由来しており、
過去の市場パフォーマンスを調査して、退職後の安全な引き出し率を決定しています。
4%ルールは50年間の退職には使えない
この一般的なFIREの戦略についてPGIMのファイナンシャルプランナーは以下のように指摘しています。
トリニティ・スタディの数字は、60代半ばで老後をむかえようとする人たちを対象にしています。それを早期退職の唯一の根拠とするとなると、専門家は懐疑的です。
私は、これはひどい考えだと思います。
4%ルールの定義は、30年の退職のためのものです。50年に使うべきではありません。
4%より低い利率で取り崩す
FIREの専門家であるサバティエ氏は退職期間を長くすると、ポートフォリオの誤差が大きくなる。として
退職後の生活が長くなればなるほど、引き出し率を低くするのが賢明かもしれない。と提言している。
一般的に、ポートフォリオのバランスが取れていて、引き出しを40年または50年に延ばすことを計画している場合、低い引き出し率から始めると、成功する可能性が高くなります。
4%ルールを柔軟に利用する
バンガードのシニア ウェルス アドバイザーは引き出し額は、4%ルールに固執する必要はないとしています。
FIREを達成したからといって、金銭面を管理することをやめてよいということにはなりません。
毎年同じ金額をやみくもに引き出すと、下落相場で貯金が底を尽きる可能性が高くなります。
市場が上昇しているときに多く引き出し、下落している市場では少なくするという「動的な」アプローチで引き出すことができます。
その為には以下など事前の計画が必要としている。
・病気など予期せぬ出費に備える
サバティエ氏は、市場の下落時に投資資産を売却して現金にする必要がないように、「緩衝材」として2年分の生活費を現金で保有していると語っている。
(2年分の現金を保有していれば)
市場が下落しているときに、急に決断をする必要はありません。
まとめ
一般的なFIREの戦略である4%ルールが機能しない理由と対策案についてご紹介をしました。
・投資資産からの引き出し率を3.3%など4%より低くする
・下落相場で投資資産を売ることがないよう2年分の生活費+αの現金を保有しておく
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