米国株の暴落が続く理由 買い時はいつなのか 米ステラジストが予想

米国株の下落は加速するばかりで止まりません。S&P500の年初来の下落率は25%を超えました。

なぜこのような暴落が起きているのでしょうか。また、今は買い時なのでしょうか。

米国株の暴落が続く理由

今年に入り、米国株が下落している理由について改めて記述すると、

米国の金融政策を担っているFRB(米連邦準備制度理事会)が2021年まで利下げしていた政策金利をインフレをおさえるために2022年から大幅に利上げしているからです。

利上げをすると米国債の利回りが上昇(価格は下落)し3.0%を超える水準になると株式の配当利回りと比較し

リスクの高い株式を売りリスクの低い米国債などの債券を購入する投資家が増える為、株価は下落します。

また、利上げにより金利が高くなると企業や個人は借金ができなくなります。そして、事業への投資や自宅購入などの高額出費ができなくなるため企業の業績は下がります。

この業績低迷により株式は売られ更に株価は下落することになるのです。

 

 

 

出典:SBIアセットマネジメント

 

米国株の買い時はいつなのか

米金融企業、ステラジストの現状の分析(9月27日時点)についてご紹介します。

サンダイアル・キャピタル・リサーチ

リスク回避志向の投資家、特に短期の投資家にとっては危険な環境。

ナスダック100は、過去最高値から32%余り下げている。最近の取引でハイテク株には下押し圧力がかかっており、同指数のほぼ全ての構成銘柄が10日移動平均を下回る。

1985年の指数開始以来、10日、50日、200日移動平均という3指標全てでこれほど低水準となったのは他に20日間しかない。

全てのケースでこれは重要な底入れの契機となった。

出典:Bloomberg

コメリカ・ウェルス・マネジメント

S&P500が3640の水準を維持できなければ、3500のレンジが次のテクニカルな支持線になると予想。

これは2020年3月の安値から2022年1月の高値までの上昇分の50%戻しに当たる。

企業利益拡大の基盤が悪化し始めており、ファンダメンタルズの観点でも状況は危うい。

出典:Bloomberg

ホムリック・バーグ

利益予想は引き下げを余儀なくされるというのが一致した見方。残念ながら利益が下振れすれば、株価も下げる。

暗い業績見通し
過去4ヶ月間、業績悪化が業績アップを上回った
シティグループ米国業績修正指数

出典:Bloomberg

パイパー・サンドラー

S&P500は売られ過ぎの領域に入った。相対力指数(RSI)は27日に約27と、1月以来の低水準を記録した。市場は反発に備えている。

出典:Bloomberg

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズ

米国株を若干のアンダーウエートにしている。ただ、S&P500が3500前後に下げれば、買いの良いスタート地点となり得る。3330に下がればさらに魅力的となる。

 

まとめ

米国株の暴落が続く理由の解説と米ステラジストの現状分析についてご紹介をしました。
ステラジストの見解については今が底だと予想する方、まだまだ下がると予想する方、それぞれ異なっています。
米国株が今買い時なのかは、この情報を含めた様々な情報から最終的には自身で判断するしかないですね。
 
S&P500は9月29日に更に下げ終値は3585.62を記録しています。
企業業績については、だんだんと悪化している企業も出てきています。今後より多くの企業で業績の下方修正が発表されると株価はより下がっていくのではないでしょうか。
鈍感力を鍛えつつ、淡々と投資を続けていきましょうね。
 
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