アメリカの億万長者に対しておこなわれた調査では、35%がFIREなど退職後に経済的に安定した生活をおくるには「奇跡が必要だ」と回答したとCNBCは伝えています。
退職し安定した生活をするには「奇跡が必要」
クレディ・スイスの最新のGlobal Wealth Reportによると、2022年時点でアメリカには2450万人近い億万長者が存在し、
アメリカだけでなく世界的に見ても、かつてないほど多くの億万長者が存在しています。
クレディ・スイスのGlobal Wealth Reportはこちら。
それでも、銀行に7桁の預金を持っていても、インフレや市場の極端な変動に直面すると、以前ほど安心できなくなります。
最近では、大富豪を含め、自分の財政状態に自信を持っているアメリカ人は少なくなっています。
富裕層でも58%が長く働き続けなければならないことを受け入れ、36%が退職は選択肢にすら入らないかもしれないと心配していると回答。
8,500人以上の個人投資家を対象にした調査では、大富豪の35%が、退職後に経済的に安定した生活を送るには「奇跡が必要だ」と回答。
物価の上昇で家計が圧迫される中、アメリカ人は快適な老後を送るために125万ドル必要だと予想しており、回答者が昨年あげた105万ドルから20%も急増したことが明らかになった。
100万ドルの4%は年間わずか4万ドル知ると人々は驚く
「100万ドルは大きいように思えるかもしれませんが、計算して100万ドルの4%が年間たった4万ドルだとわかると、多くの人が驚きます」とナティシス・インベストメント・マネージャーズは述べています。
「この金額は通常、これらの人々が生活するのにかなり少ないです」
4%ルールは、退職者が、後でお金が足りなくなる心配をせずに、毎年どれだけのお金で生活できるかを決めるための一般的なガイドラインです。
しかし、現在の市場予想を考えると、4%ルールは「もはや実現不可能かもしれない」と、モーニングスターの研究者は最近の論文で書いています。
論文の詳細についてはこちら。
退職の経験則は時代遅れ?
「これまで使ってきた経験則の多くは時代遅れだ」
「100万ドル持っていても、20%の打撃を受けているのかもしれない」
「そのうえ、物価も上がっている」
とナティシス・インベストメント・マネージャーズは述べています。
401(k)の平均残高は1年前より23%減少し、97,200ドルになった。
高インフレと市場変動が続く中、55%の勤労アメリカ人が退職後の蓄えに遅れをとっていると感じている。
「人々は、自分がいくら持っているのか、それがいつまで続くのか、時間をかけて計算する必要があります」
とナティシス・インベストメント・マネージャーズは指摘しています。
まとめ
100万ドルを持っていても、もはや安心してFIER、リタイアはできないということを指摘したCNBCの記事についてご紹介しました。
上がらないと言われていた日本でさえ、インフレ率は既に3.7%に達しています。
各国のインフレ率等はこちらのまとめに記載。
FIREを考えている方にはなかなか厳しい環境になってきています。
日本の年金制度は他国よりはマシだなんて意見も聞かれますが、いわゆる65歳以上の退職世代の手元に残る所得は他国と比較して低いことが分かります。
これは株式などの不労所得が少ないのが原因でしょう。
65歳以上の年間可処分所得 中央値
日本人の3倍近くもの収入があるアメリカ人がもはや100万ドルの資産があっても厳しいと言っているので日本はより厳しくなることが予想されます。
現時点では日本とアメリカのインフレ率に差はあるもののわずか数年で4%近く上昇しているので、今後よりインフレが進んでも全くおかしくはありません。
これらのことをふまえても、FIREを目指している方、FIREされている方の結論としては、「FIREをして自由を獲得しつつ、ゆるく働く」だと思っています。
FIをあきらめることなく、ともに理想の人生を目指していきましょうね。
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