景気後退(リセッション)は米国株投資のチャンスなのか?

米国の利上げと銀行破綻の信用不安などにより景気後退(リセッション)入りする確率は増しています。リセッションは米国株投資のチャンスになるのでしょうか?

結論として、

景気後退(リセッション)時に中長期で投資をするとリターンは高く、プラスリターンになる確率も大きくなることが過去のデータから証明されています。

景気後退の確率は引き続き高い

ブルームバーグ最新のエコノミスト調査によると来年に景気後退入りするという予想は65%と前月の60%から上昇しています。

理由としては、「米政策金利は先週に0.25%と継続して引き上げられ、2007年以来の高水準に達していること」です。利上げが需要や銀行システムなどに及ぼす影響について懸念しています。

また、政策金利は5~5.25%になる予想され、年内はこの水準で維持されると見られています。

INGのチーフ国際エコノミスト

銀行のストレスに伴う借り入れコストの上昇とクレジットへのアクセス低下は、米経済がハードランディングする可能性がより高いことを意味する

景気後退の前後で株価は下落する

米国の過去の株価推移(1948年10月末~2023年1月末)をみると景気拡大期に大きく上昇を続けていた株価も景気後退期の前後には大きく下落していることが分かります。

JPモルガンより

景気後退期に投資をするとリターンは大きい

景気後退期に投資を始めた場合」と「景気拡大期に投資を始めた場合」の投資リターンを比較すると以下のようになります。

3ヶ月間 「景気拡大期に投資を始めた場合」がリターンが大きい
6ヶ月間 「景気後退期に投資を始めた場合」がリターンが大きい
1年間  「景気後退期に投資を始めた場合」がリターンが大きい
3年間  「景気後退期に投資を始めた場合」がリターンが大きい
5年間  「景気後退期に投資を始めた場合」がリターンが大きい

JPモルガンより

3ヶ月間以上の投資期間において、「景気後退期に投資を始めた場合」の方が平均リターンが高いことが分かります。

 

次に「景気後退期に投資を始めた場合」と「景気拡大期に投資を始めた場合」のリターンがプラスだった確率を比較すると以下のようになります。

3ヶ月間 「景気拡大期に投資を始めた場合」がプラスリターンの確率が高い
6ヶ月間 「景気拡大期に投資を始めた場合」がプラスリターンの確率が高い
1年間  「景気後退期に投資を始めた場合」がプラスリターンの確率が高い
3年間  「景気後退期に投資を始めた場合」がプラスリターンの確率が高い
5年間  「景気後退期に投資を始めた場合」がプラスリターンの確率が高い

JPモルガンより

1年間以上の投資期間において、「景気後退期に投資を始めた場合」の方がより高い確率で投資収益を得ていることが分かります。

まとめ

景気後退(リセッション)は米国株投資のチャンスなのか?について過去のデータを使ってご説明をしました。

景気後退時に中長期で投資をするとリターンは高く、プラスリターンになる確率も大きくなる

一言でいうなら「チャンス」です。^^

 

では、このデータを利用して誰もが簡単に億万長者になることができるのでしょうか?
残念ながら、簡単にお金持ちになることはできません。
なぜなら、以下のような問題があるからです。

・景気後退の期間は後になってみないと分からない
・株価が下落し始めてもどこが底か分からない
未来は誰にも分からないので当然ですね。
2000年代だけの経済危機だけを比較しても株価が回復するには、それぞれの経済危機で3ヶ月から3年以上と大きな差があります。
米国株はリセッションを十分に織り込んでいない 今後もう一段下がる
ブルームバーグの調査では、今後の株価は更に下がるとしています。
株価が下落し続け何年先に回復するか分からない状況で、投資資金を入れ続けるのはメンタル、資金的にも非常に辛いことが予想されます。
もちろん、底は分からないので「底で全資金を投入する」なんてこともできません。
 
ここで、登場するのがインデックス投資です。タイミングをはからずに淡々と購入していくのです。「景気後退期」はもちろんのこと「景気拡大期」にも買い続けるので恩恵を受けることができます。
ただし、インデックス投資であっても株式市場の暴落は100%受け止めなければいけません。その中で買っていかなければいけないので、どちらにしてもメンタル的には辛いです。
 
しかし、景気後退での暴落は当然に起きることとして理解していると事前の資金管理、暴落が起きた時のメンタルと多少は楽になるでしょう。
 
もし今後、景気後退入りすることがあっても売ることはせず、淡々と買っていきましょうね。
 
 
景気後退期の株価の上昇タイミングについて説明しています。
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