要点をまとめると。
■「はじめてのNISA」シリーズ
野村アセットは「はじめてのNISA」シリーズの取り扱いを10日に始めた。
「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」の信託報酬は0.057%。
三菱UFJ国際投信が運用し、業界最低水準の手数料を維持してきた「eMAXISSlim 全世界株式(オール・カントリー)」の半額程度とした。
詳細についてはこちら。
まとめ
日経新聞の三菱UFJ国際と野村アセットマネジメントへの取材内容についてご紹介をしました。
担当者がスパッと公表できる内容ではないとは思いますが、「簡単に決断できない」とは煮え切らない発言です。
この記事で比較対象となっている2つの商品について整理をします。
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.1133%
「オルカン」の信託報酬率は上記のように「はじめてNISA」の1.96倍と約2倍になってしまいました。
ここで問題になるのが「Tracers MSCIオール・カントリー」で話題になったように指数の使用料をどこが負担するかということです。
こちらで「はじめてのNISA・全世界株式」、信託報酬の詳細について明示しています。
指数の使用料については上記資料からは読み取ることができませんでしたが、今回の記事によると2つの商品については同条件で指数の使用料は投資家が負担するものではないようです。
「オルカン」と「はじめてのNISA・全世界株式」が同条件となったところで、「オルカン」が信託報酬を下げないという選択肢は残されていないでしょう。
もし、そのようなことをすると「eMAXIS」の購入者を切り捨て「eMAXIS Slim」を作った時のように2度目の裏切りになります。
なぜなら、「eMAXIS Slim」の購入者は他ファンドの最低コストを追随することを条件に購入をした投資家だからです。
業界最低水準の運用コストを目指す一環として、公正な比較の対象となる他社類似ファンドに係る信託報酬率が当社ファンドを下回る場合、ファンドの継続性に配慮した範囲で信託報酬率を引き下げることを基本とします。
ただし、信託報酬率が業界最低水準となることを、保証等するものではありませんのでご留意ください。
野村アセットマネジメントが「はじめてのNISA」シリーズを6月23日に発表してから既に1カ月近くが経過しています。
三菱UFJ国際の発表を待つことにしましょう。
インデックスファンドは今回の記事にも書かれているように売る側にとっては儲かるものではありません。
規模がものを言う世界なので、最終的にはアメリカのインデックスファンドのように数社に淘汰されていくことでしょう。
チキンゲームのようですが、eMAXIS Slimは当初からコストを武器に販売してきた商品なので仕方がないですね。
インデックスファンドとはそういうものです。
一方、投資家にとっては、よりコストが下がった商品を選択できることはいいことです。
「はじめてNISA」シリーズについては野村證券以外の大手ネット証券でも販売拡大されることを期待しています。
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