投信の信託報酬が1.6%違うと30年の運用シュミレーションで評価額に大きな差

NISAでは長期投資をすることが前提です。信託報酬が1.6%違う投資信託で100万円を30年間運用するシュミレーションでは評価額に大きな差が出ます。

投信の信託報酬が1.6%違うと30年で評価額に1.6倍の差

AERA dot.さんのシュミレーションの記事はこちら

信託報酬が1.6%違うと30年でいくら差がつく? 100万円運用シミュレーション | AERA dot. (アエラドット)
長期投資では「運用コストの安さ」にこだわろう。投資信託のコストで注意すべきは信託報酬だ。この水準が高いと収益にどれくらい差がつく? アエラ増刊「AERA Money 2023春夏号」より。

まとめると。

■結論
・長期投資では「運用コストの安さ(信託報酬)」にこだわる。目安として0.3%以下。
・純資産総額は規模が大きいほうが運用しやすく繰り上げ償還のリスクが低い。100億円以上あれば安心。
■投資信託の手数料
1.販売手数料:購入時
2.信託報酬:保有している間
3.信託財産留保額:売却時

目論見書の信託報酬率が年率0.66%の場合、日割りで基準価額から少しずつ差し引かれている。

※イメージ
1日あたり約0.0018%(0.66% ÷ 365日)
1万円の投信の場合、18銭/日の信託報酬が引かれ基準価額が決まる

■運用シュミレーション
2つの投資信託を以下の条件で運用した時のシュミレーション。

1.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
純資産総額 1兆8757億円
信託報酬 0.09372%

2.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース
純資産総額 1兆7852億円
信託報酬 1.727%

シュミレーション内容
・初年度に100万円を一括投資
・30年間の運用
・年率5%ずつ増えると仮定

シュミレーション結果
10年 利益差 23.4%
20年 利益差 70.2%
30年 利益差 158.0%

まとめ

低コスト、高コスト2つの投資信託で30年間運用した時のシュミレーションについてご紹介をしました。

・同じインデックスに投資している商品であれば実質コストがより安いファンドを選択する
・信託報酬以外のコストについてもチェックする
・純資産総額が大きいファンドを選択する

 

100万円を投資して30年後に約160万円の差はなかなか厳しいですね。

「アライアンス」は50~70銘柄を選定をしているアクティブファンドのようです。

コスト以外に異なるのは「毎月分配」をしているファンドでした。

また、高いのは信託報酬だけではなく購入時手数料が3.3%もとられます。買った瞬間に96万7千円になり、そこから信託報酬が差し引かれていきます。

毎月分配、高コストの商品が長期投資で「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と同じリターンを得られるはずもなく、シュミレーション結果よりも運用額の差は確実に大きくなるでしょう。

しかし、驚きなのがSBI証券で販売されている投資信託ではオルカンよりも総資産額が多く2番目です。今後追い抜かれるとは思いますが。

おそらく、ハイテク株を選定しているようですので6ヶ月~1年のリターンは大きいですが、3年のトータルリターンでは約4.7%の差が出ています。
※左がオルカンで右がアライアンス

絶対に買いたくない商品ですが、純資産額からも分かるようにこの商品がそこそこ売れているのです。

SBI証券の投信全体の週間の販売件数で54位にランクしています。(eMSXIS Slim S&P500は3位)

この商品を購入している層の多くは対面販売と推測しますが、対面販売ではないネット証券でわざわざこの商品を選んで購入する方というのは、単純に知識不足という方ですね。

優良商品に投資をすることでコツコツと資産を増やしていきましょう。

 

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