NISAとiDeCoの併用ではiDeCoを優先する?

「NISAとiDeCoではiDeCoを優先すべき」との記事を見かけましたので、両方実際に利用している者の立場として率直にNISAとiDeCoでのベストな資産運用方法について考えます。

iDeCoを優先すべき?

トウシルさん。

iDeCoとNISAはどう併用していくのが賢い投資戦略か | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
2024年からスタートする新しいNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)制度が話題です。元々予定されていた新NISA(と金融庁は呼んでいた)のことはもはやなかったことのように、新しいNISA制度の情報があふれています。 ここで改めて解説す…

 

山崎さんという方は「NISAとiDeCoを併用しiDeCoを優先すべき」としてその理由を以下のように述べています。

1.「iDeCoの所得控除」のメリットは大きく現役時代にしか利用できない
2.60歳以降の受け取り時点まで解約できないことがメリットになる

 

iDeCoは不要な制度

結論として、iDeCoは不要です。非課税口座はNISAだけで運用をしましょう。

NISA、iDeCo両方の制度を5年以上使っている者として言わせていただくと、新NISAが来年から始まることが決まった今、多くの人にとって「iDeCoは不要な制度」になりました。

強いて言うのであれば、新NISA枠を5年で埋めてもなお潤沢な資金がある方におすすめはしないが、利用してもよいのでは。といったところです。

この方が言っていることとは真逆ですね。(^^;

現行制度ではiDeCoは65歳になるまで拠出可能です(公的年金の保険料を納付する立場であることが条件)。将来的には70歳まで拠出可能になる可能性がありますが、対象と想定されているのは現役世代であり、高齢期は使えなくなります。NISAは一生涯使えるわけですから、iDeCoは使えるうちに優先的に使いたい選択肢といえます。

理由としては、iDeCoには以下のような重大な欠点があるからです。制度内容がすばらしいものであれば、筆者の意見に賛同することができるのですが。

1.高齢期に複雑なiDeCoの解約で的確な判断が求められる
2.年金として利用できない可能性がある年金制度
3.運用手数料が高い
 
制度内容が複雑怪奇なのは致命的です。筆者の言う通り現役で働いている時は控除枠が増えますが、最後の最後、解約(受取)する時に課税されます。
課税が先延ばしされているだけなのです。
その人によっていつ、どのような受取方法を選択するかなどで課税額に大きな差が出ます。
このような複雑な判断を高齢期にできるとはとても思えません。。
 
そして制度上の致命的な欠点である「年金として利用できない可能性がある年金制度」と「運用手数料が高い」についての詳細についてはこちらです。
iDeCo(イデコ) の手数料が高すぎる!ヤミが深い制度の早急な改正を
iDeCo(個人型確定拠出年金)はメリットばかりが取り上げられがちですが、証券会社の特定口座でインデックスファンドを購入する時には取れられないような手数料が取られたり、調べても分からないような制度の致命的な欠陥などのデメリットがあります。
iDecoの加入年齢 65歳以上への引き上げは誰も得をしない理由
政府は個人型確定拠出年金 iDeCoの加入年齢を65歳以上に引き上げることを検討しています。
 

まとめ

NISAとiDeCoの併用でiDeCoは優先すべき?の結論、「そもそも併用の前にiDeCoは不要です」についてご紹介をしました。

NISAが改正される前であれば、NISAとiDeCoの併用も意味があったかもしれませんが、

NISAの年間投資額が360万円まで拡充された今となっては、iDeCoのデメリットを考慮すると不要な制度になってしまったということです。

 

筆者はiDeCoを利用している?と思いたいですが、利用している人ですら制度内容を把握していないことが多いでしょう。

iDeCoを胸を張っておすすめできるようになるには、NISAがそうであったように制度改革が必須です。

大増税を実施しているのですから、NISAの影に隠れてしまったiDeCoの抜本的な制度改正もしてもらいたいものです。

国の対応を注視しつつ、私達にメリットがある制度であれば自分の頭で考え惑わされることなく選択をしていきましょうね。

iDeCoは10月から全員が加入できる制度に法改正 iDeCoに8つの誤解あり
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は2022年10月から企業型確定拠出年金(DC)との併用が可能になります。これで、ようやく全員が加入できる制度になります。iDeCoに関して誤解が多い8つの項目についてご紹介をします。
資産運用「 つみたてNISA」と「iDeCo」はどちらから始めればいい
「つみたてNISAとiDeCoはどちらから始めればいい?」という、あるあるな質問に回答した記事がありましたので、考察してみます。
NISAは改正前の2023年から始める 新NISAを待つべき どっちがいい
ちまたからは、「2024年からの新NISAを待った方がいいのか?」という声が頻繁に聞こえてきます。どのようにしたら良いのかについてお答えします。

 

コメント