iDeCoは10月から全員が加入できる制度に法改正 iDeCoに8つの誤解あり

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は2022年10月から企業型確定拠出年金(DC)との併用が可能になります。

これで、ようやく全員が加入できる制度になります。

iDeCoに関して誤解が多い8つの項目についてご紹介をします。

iDeCo改正内容の詳細についてはこちらをご確認ください。

2022年の制度改正について|ライブラリ|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
老後のためにいまできること、イデコ。個人型確定拠出年金『iDeCo』は、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金です。

iDeCoに関する8つの誤解

日経新聞です。

10月から「全員iDeCo」時代 8つの誤解を解消 お金を殖やすツボとドツボ(53) 編集委員 田村正之 - 日本経済新聞
ハナ 個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)は税制優遇の大きさで有名ですね。企業型確定拠出年金(DC)加入者約780万人(2022年3月)の多くは加入が難しかったけど、10月からは併用が容易になります。岡根 いわば「全員iDeCo時代」の...

iDeCoに関して以下のような8項目の誤解をあげています。

1.ほったらかしでも節税効果を得られる
2.住宅ローン控除で所得税がゼロの場合、節税効果はない
3.掛け金は変えられず、休止もできない
4.掛け金をかけている途中で亡くなれば国に没収される
5.口座管理料の低さだけで金融機関を選ぶべき
6.企業型DCのある会社では全員が加入すべき
7.60歳になれば誰でも引き出せる
8.運用益は少額投資非課税制度(NISA)と同様に非課税になる

1.ほったらかしでも節税効果を得られる

会社員が節税効果を得るには年末調整か確定申告をすることが必要になる。
所得税、住民税は以下のように節税される為、把握できず浪費してしまう可能性がある。

・所得税は保険料控除など他の様々な還付金と一緒に支給される
・住民税は翌年分の住民税が節税分減る形になる

以下サイトなどで節税シュミレーションが可能。

https://ideco.morningstar.co.jp/simulation/simulation/index.html

2.住宅ローン控除で所得税がゼロの場合、節税効果はない

多くのケースでは住宅ローン控除後も住民税は一定額を払っているケースが多い。

イデコ加入で少なくとも住民税は減りやすい。小さい子供がいる場合は住民税に連動して保育料が減るケースもある。

長期間加入することで運用益も増えやすいので、早めに加入した方が多くのケースでは有利となる。

3.掛け金は変えられず、休止もできない

家計が苦しくなったら困ると不安がる人も多いが、年に一度掛け金が変更でき減額も可能(最低月に5000円)、それも難しい状況になれば休止することもできる。

4.掛け金をかけている途中で亡くなれば国に没収される

死亡時の資産は請求すれば遺族に支給される。

死亡後3年以内なら「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えるので早めの請求を。

5.口座管理料の低さだけで金融機関を選ぶべき

投資信託を使う場合、信託報酬という保有コストがかかる。

1990年から2020年まで世界株指数の連動投信で計算すると、信託報酬が年0.1%のものと年1%のものとでは、資産額に450万円もの大きな差が出た。

口座管理料より信託報酬の差の方が圧倒的に大きいので、低コストの投信の品ぞろえが豊富な金融機関を重視すべき。

6.企業型DCのある会社では全員が加入すべき

2024年12月に新たな改正があり、iDeCoの枠は月5万5000円から「企業型DCと企業型確定給付年金(DB)の会社掛け金の合計額を差し引いた額」になる。

iDeCoは最低、月5000円からなので、会社掛け金の合計額が5万円を超える人はiDeCoができなくなる。

それまでiDeCoをしていた人は、
企業型DCのある会社なら企業型DCにイデコ資産を統合できる。

DBだけの会社なら原則統合できず、それ以降は手数料を引かれ続けて運用だけする運用指図者という立場になる。

会社掛け金の合計が5万円を超えるような人はかなり少数だが、2022年10月からのイデコ併用の前に、2024年12月以降もiDeCoを続けられるか会社に聞くべき。

7.60歳になれば誰でも引き出せる

受給開始時期は加入期間で異なり、60歳からもらえるのは加入期間が10年以上の人だけ。加入が2カ月未満なら65歳以降となる。

2022年5月から60歳以上65歳未満でも厚生年金加入の会社員などが加入できるようになったが、その場合は加入後5年で受け取り可能になる。

8.運用益は少額投資非課税制度(NISA)と同様に非課税になる

イデコの運用益に課税されないのは運用期間中だけで受給時は「元本+運用益」の総額が課税の対象。

税率の高い現役時代の課税を避ける「税の繰り延べ」であり、最後まで非課税のNISAとは異なる。

イデコの受給時は一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除という非課税枠がある。

しかし退職所得控除は原則的に会社の退職金、公的年金等控除は公的年金との共通の非課税枠。

このため例えば年金で受け取る場合は公的年金の受給を70歳まで繰り下げ、その間の公的年金等控除を使ってイデコを年金で受給するなど、様々な税負担減を考えることが大事になる。

 

まとめ

2022年10月から全員が加入できるようになる個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の8つの誤解についてご紹介をしました。

今回、iDeCoの内容全てを記述していませんが、書いている内容だけでも非常に難解な制度であることがお分かりいただけたと思います。

加入する際には、iDeCoの制度について細かく確認した上で自分に合っている制度なのか判断されることをおすすめします。

 

特に注意したいのが、7と8です。iDeCoは受け取る時にワナがあります。

8に記述してあるように、NISAのように運用益に対して非課税になるのではなく課税することを受け取る時まで「引き延ばしている」だけなのです。

退職金を数十年間、自分で出費をして積み上げたのに最終的にその退職金に対して課税されるのです。非常にモヤモヤ感が残ります…。

そして、iDecoの制度上の最大の欠陥はこの記事には記述がない「iDecoより先に会社の退職金を受け取った場合、死ぬ前に使えなくなる可能性がある地獄仕様」です。

FIREなどを検討されている方は十分にご注意ください。

詳細な内容についてはこちらです。

iDecoの加入年齢 65歳以上への引き上げは誰も得をしない理由
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【事例で解説】FIRE 退職金/iDecoの税金とお得な受け取り方
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こちらの地獄仕様については、改正していただくことを希望します。

iDeCoは「行きはよいよい、帰りは怖い」制度なので十分に検討されてくださいね。

 

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