アクティブ型投資信託の不都合な真実を知っても新NISAで活用しますか?


2023年から新NISAが始まりますが、成長投資枠でアクティブ型の投資信託に投資することは必要なのでしょうか。アクティブ型投資信託について解説をします。

アクティブ型投資信託の不都合な真実

日経新聞さんのアクティブ型投資信託に関する記事はこちら

アクティブ型投資信託、3つの「不都合な真実」知って活用 編集委員 田村正之 - 日本経済新聞
運用担当者の腕で銘柄や売買のタイミングを選び、市場平均に勝つことを目指すアクティブ(積極運用)型投資信託。2024年から少額投資非課税制度(NISA)が大幅拡充されることもあって、投資対象として注目を集めている。 もちろんアクティブ型は成功...

まとめると。

■アクティブ型投資信託の不都合な真実

アクティブ型投資信託とは、運用担当者の腕で銘柄や売買のタイミングを選び、市場平均に勝つことを目指すアクティブ(積極運用)型投資信託。


1.長期では日本、米国、新興国ともに、アクティブ型の7〜9割が市場平均(指数)に負ける傾向がある

日本では負け方が諸外国よりやや少ない。


2.過去の成績は必ずしも将来の成績を保証しない

信託報酬の半分は、顧客の保有期間中、販売金融機関に入り続けるので、金融機関は信託報酬が高いアクティブ型を薦めたほうが会社に有利。

窓口で「投信を買いたい」と相談すると、過去に好成績だったアクティブ型のグラフなどを見せて薦めてきがち。

3.「指数に本当に勝っているのか」がわかりづらい

通常目にするのは、対象銘柄の価格変動だけを示す配当抜き指数だ。大半の指数は配当込みも公表していて、配当の差だけ長期では配当込み指数が(リターンが)高くなる。

「成績は本来配当込み指数と比べるのが当然」(金融庁)

多くのアクティブ型は月次リポートなどで、比較対象のベンチマークを配当抜き指数にしている。指数に勝っているように見えても配当込み指数には負けている投信は多い。

※配当抜き指数だとベンチマーク(基準価格)に勝っているように見える例

ベンチマークに勝っているか確認するには、コストが低いインデックス型投信の配当込み指数と比較するという方法がある。
楽天証券のサイトにある「投信スーパーサーチ」で比較が可能。

■結論

アクティブ型選びには、こうした注意点を知り、定期的に運用をチェックする努力が重要。難しいと思うならインデックス型が選択肢。

まとめ

アクティブ型投資信託という商品についてご説明をしました。

新NISAの成長投資枠などでアクティブ型投資信託に投資する必要性の結論は「不要」です。

理由としては、下記になります。

・アクティブファンドの7~9割が市場平均に負けている(コストが高い)

・一時的に市場平均に勝っていても長期では負ける可能性が非常に高い

・ファンドマネージャーなど属人的な要素が多い為、ファンドの選択が非常に困難でマネージャー変更などのリスクが高い

・ファンドの運用のチェックに手間がかかる

「保有するリスクが高く、そもそも選択することができない」ということです。
そのアクティブファンドが優秀だったかどうかは別として、最近のニュースでもセゾン投信の中野さんの解任や
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ファンドマネージャーは基本的にサラリーマンであることも多いので人事変更は当然と言えば当然です。
そんなものに、投資家は振り回されたくないですし、予想することももちろんできません。
これだけのリスクを抱えて、投資する意味はゼロです。
最近、「日本のアクティブファンドの勝率は海外と比較して高い」というニュースも見かけましたが、結論は変わりません。
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10年間の運用成績がベンチマークの株価指数を上回ったアクティブ型の大型株投資信託の割合は33.3%。米国(13.4%)や欧州(21.3%)を上回る。5年では35.8%、3年では48.5%とさらにその割合は高いという。

 
数十年間、インデックスを上回るリターンを出せるアクティブ型投資信託を選択できる人以外は、
新NISAの成長投資枠でアクティブファンドを勧められたとしてもインデックスファンドに投資することをおすすめします。
 
 
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ウェルス アドバイザーは市場平均を上回ったアクティブファンド(インデックスを超えるリターンを目指すファンド)がどのぐらいの割合だったのかデータを公開しています。
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