来年2014年から新NISAがスタートします。特定口座で保有している投資信託などを税金を支払い売却した資金で、新NISAの口座で新たに投資商品を購入するという方法は、必ずしも有利にならないケースがあります。
【新NISAへの移行】株式市場の長期低迷、暴落の回数が多いと不利
AERA dot. さんの記事はこちら。
「新NISA口座に特定口座から移行すると特になるのか」について分かり易いように要点をまとめると。
東京証券取引所
特定口座における税金(20.315%)の繰り延べ効果とNISA口座の非課税効果、どちらが大きいかという話。
特定口座の資産の含み益が大きく、将来の期待リターンが低いと判断するなら、NISA口座への移し替えは慎重にしたほうがいいという考え方もあります。(非課税効果<税金の繰り延べ効果)
相場の動き方により結果が変わるため、厳密には数値化できない。
AERA
検証より含み益があっても特定口座からNISA口座に移したほうが、ほとんどのケースで非課税メリットにより最終的な受け取り額が多くなる。
ただし、投資対象のリターンが年平均2%以下、かつ特定口座の金融商品の含み益がかなり大きい場合、NISA口座に移しても有利にならないケースが発生していた。
「特定口座で保有する金融商品が元手の4倍まで値上がり=評価額の50~75%が含み益」の状態なら、「移すのはちょっと待った」。NISA口座に移したあとの上昇が年平均2%以下なら税金面で負ける可能性がある。
以下の2パターンで検証。
前提
特定口座に評価益400万円(元本200万円、含み益200万円)の金融商品を保有している。
パターン1
特定口座の金融商品を売却する。新NISA口座で税引後の360万円で同じ金融商品を購入し30年間運用。
・2年目以降は新NISAで毎年360万円を投資
・30年後に一括売却
パターン2
特定口座の金融商品を30年間運用。
・2年目以降は新NISAで毎年360万円を投資。
・30年後に一括売却
検証結果
新NISA口座に移したほうが有利だったケース
1~30年目までの年平均リターンが2%、5%、10%ずつ増えた場合
新NISA口座に移すと不利だったケース
・年5%増で10年に1度、50%の暴落が3回発生した場合
・年5%増で10年に1度、50%の暴落が2回発生した場合
・TOPIX、1990~2019年(30年間)のような相場だった場合
・TOPIX、1990~2009年(20年間)のような相場だった場合
パターン1 | パターン2 | 差分金額 | |
年2%増 | 3135万762円 | 3100万9658円 | 約34万円 |
年5%増 | 7073万410円 | 6935万3477円 | 約138万円 |
年10%増 | 2億6194万1974円 | 2億5514万8651円 | 約678万円 |
年5%増 10年に1度-50%が3回 |
763万7448円 | 782万4121円 | 約-19万円 |
年5%増 10年に1度-50%が2回 |
1603万8642円 | 1604万580円 | 約-2000円 |
年10%増 10年に1度-50%が2回 |
5412万243円 |
5303万9017円 | 約108万円 |
TOPIX(1990~2019) |
2725万9229円 |
2727万5769円 | 約-2万円 |
TOPIX(1990~2009) 20年間 |
1159万1279円 |
1173万8916円 | 約-15万円 |
まとめ
「新NISA口座に特定口座から移行すると特になるのか」のシュミレーションついてご紹介をしました。
この記事での特定口座から新NISAに移してもいい条件はこのようになりました。
・年率2%より大きい運用益を確保できる
2.購入資金がなくなった場合は、コストが高い商品から売却をして新NISAの枠を埋めていく
コメント