新NISAに特定口座から税金を支払い移行しても有利にならないケースあり

来年2014年から新NISAがスタートします。特定口座で保有している投資信託などを税金を支払い売却した資金で、新NISAの口座で新たに投資商品を購入するという方法は、必ずしも有利にならないケースがあります。

【新NISAへの移行】株式市場の長期低迷、暴落の回数が多いと不利

AERA dot. さんの記事はこちら

新しいNISA「税金を払っても特定口座から移すべきか?」30年検証【東証協力】 | AERA dot. (アエラドット)
これまで買ってきた金融商品が特定口座で眠っている人はいったん税金を払い、売却してでも新しいNISA口座に移し替えるべき? アエラ増刊「AERA Money 2023春夏号」より抜粋してお届けする。

 

「新NISA口座に特定口座から移行すると特になるのか」について分かり易いように要点をまとめると。

■結論

東京証券取引所

特定口座における税金(20.315%)の繰り延べ効果とNISA口座の非課税効果、どちらが大きいかという話。

特定口座の資産の含み益が大きく、将来の期待リターンが低いと判断するなら、NISA口座への移し替えは慎重にしたほうがいいという考え方もあります。(非課税効果<税金の繰り延べ効果)

相場の動き方により結果が変わるため、厳密には数値化できない。

AERA

検証より含み益があっても特定口座からNISA口座に移したほうが、ほとんどのケースで非課税メリットにより最終的な受け取り額が多くなる。

ただし、投資対象のリターンが年平均2%以下、かつ特定口座の金融商品の含み益がかなり大きい場合、NISA口座に移しても有利にならないケースが発生していた。

「特定口座で保有する金融商品が元手の4倍まで値上がり=評価額の50~75%が含み益」の状態なら、「移すのはちょっと待った」。NISA口座に移したあとの上昇が年平均2%以下なら税金面で負ける可能性がある。

■シュミレーション

以下の2パターンで検証。

前提
特定口座に評価益400万円(元本200万円、含み益200万円)の金融商品を保有している。

パターン1
特定口座の金融商品を売却する。新NISA口座で税引後の360万円で同じ金融商品を購入し30年間運用。
・2年目以降は新NISAで毎年360万円を投資
・30年後に一括売却

パターン2
特定口座の金融商品を30年間運用。
・2年目以降は新NISAで毎年360万円を投資。
・30年後に一括売却

検証結果
新NISA口座に移したほうが有利だったケース
1~30年目までの年平均リターンが2%、5%、10%ずつ増えた場合

新NISA口座に移すと不利だったケース
・年5%増で10年に1度、50%の暴落が3回発生した場合
・年5%増で10年に1度、50%の暴落が2回発生した場合
・TOPIX、1990~2019年(30年間)のような相場だった場合
・TOPIX、1990~2009年(20年間)のような相場だった場合

  パターン1 パターン2 差分金額
年2%増 3135万762円 3100万9658円 約34万円
年5%増 7073万410円 6935万3477円 約138万円
年10%増 2億6194万1974円 2億5514万8651円 約678万円
年5%増
10年に1度-50%が3回
763万7448円 782万4121円 約-19万円
年5%増
10年に1度-50%が2回
1603万8642円 1604万580円 約-2000円
年10%増
10年に1度-50%が2回

5412万243円

5303万9017円 約108万円

TOPIX(1990~2019)
30年間

2725万9229円

2727万5769円 約-2万円
TOPIX(1990~2009)
20年間

1159万1279円

1173万8916円 約-15万円

まとめ

「新NISA口座に特定口座から移行すると特になるのか」のシュミレーションついてご紹介をしました。

この記事での特定口座から新NISAに移してもいい条件はこのようになりました。

・特定口座の含み益が元本の2倍以下
・年率2%より大きい運用益を確保できる
 
なかなか面白いシュミレーションでしたが、未来の株価や運用益、投資商品やデータとして使う指標、期間により結果はどのようにでもなります。未来は誰にも分かりません。
このように言ってしまうと「どうすりゃいいの?」となってしまうので以下の手順で新NISAを活用します。
新NISAにあてる資金がないのであれば、特定口座の商品を売却することには、全く抵抗はありません。
1.特定口座で保有している商品はなるべく売却せず、新NISAで買えるところまで買う

2.購入資金がなくなった場合は、コストが高い商品から売却をして新NISAの枠を埋めていく

私の場合、おそらく特定口座の商品を売らなくても、新NISA枠を5年で埋められると考えていますが、あえて特定口座のコストが高い投資信託は全て売る予定です。(コロナ前にも4分の1ぐらいは売却済み)
その商品は、今回の記事の新NISAに移してはいけない基準「評価額の50~75%が含み益」に見事にあてはまっています。
これは、論理的ではないかもしれませんが、「売りたいから売る」のです。高コスト商品を保有していると落ち着かないんですよね。(^^;
自分を説得するいいタイミングが来たと思っています。
 
新NISA枠を最速で埋めた時の弊害としては今保っている現金比率が下がるということです。対応としては、その状態になってみてから考えます。^^
ソワソワしなければそのポートフォリオを継続しますし、ソワソワするようでしたら特定口座のリスク資産を売却します。
お金持ちになるための必須事項である非課税口座、新NISAでの投資を効率的に行うことにより、自由を手に入れ、ともによりよい人生を歩んでいきましょうね。
 
 
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