米国株の下落が止まりません。
米国株の下落によりアメリカで今起きていること、今後起こるであろうことを米エコノミストが語っています。
米国株の下落により今起きていること今後起こること
ムーディーズ・アナリティックスのエコノミストはアメリカ経済と株価について以下のように語っています。
今起きていること
米国株式市場の下落により、アメリカ人の財産が年初の42兆ドルから6月末には33兆ドルとなり9兆ドル(1300兆円)が失われています。
8兆ドル以上の資産を失い、株式資産が22%減少。
上位1%
5兆ドル以上の資産を失っている。
下位50%
約700億ドルの資産を失っている。
2020年の市場の底値から2021年末のピークまで、アメリカの株式資産は22兆ドルから42兆ドルへとほぼ2倍になった。
アメリカ人の最も裕福な10%が個人保有株の89%を所有しているため、その富の大部分は上位の人達にもたらされています。
しかし、株価が下落し、その損失のほとんどを上位者が負担しているため、今年に入ってから富の格差はわずかに減少しています。
全米の家計資産の31%を所有しており、年初の32.3%から減少。
上位10%
保有する資産の割合は、69%から68%に減少。
※6月末の時点
アメリカ人は住宅価格の上昇により富を得たものの、その利益は株式市場の損失により相殺されています。
アメリカの住宅資産は、今年上半期に3兆ドル増加し、41兆ドルとなったが、この増加分は、株式市場で失われた金額の3分の1程度に過ぎません。
住宅ローン金利の上昇に伴い、多くの市場で住宅価格が下落または冷え込み始めています。
今後起こること
更に株価は下落しており、アメリカ人の損失は9.5兆ドルから10兆ドル(1370~1440兆円)になる可能性があります。
この下落はすぐに経済全体に波及し始め、アメリカ人の支出や借入、投資に支障をきたす可能性がある。
そして、この損失は今後1年間の実質GDP成長率を0.2%ポイント近く低下させる可能性がある。
株式資産の損失は、持続すれば、今後数ヶ月の個人消費と経済成長にとって逆風になるでしょう。
大きな問題は、株価の下落が個人消費にどの程度の影響をあたえるかです。
今のところ、富裕層が消費を控えたという兆候はほとんどありませんが、
「負の資産効果」(富の減少が支出の減少につながるという理論)は、特に市場の下落が続けば、すぐに影響を及ぼし始める可能性もある。
アメリカで失われた株式の富は、今後1年間で540億ドルの個人消費を減少させる可能性があります。
しかし、富裕層は株式を大量に保有し、パンデミック中にかなりの過剰貯蓄を積み上げているため、
株式資産が減少していても、より多くの貯蓄をする必要があるとは感じないでしょう。
まとめ
米エコノミストが語る、「米国株の下落により今起きていること、今後起こること」についてご紹介をしました。
株価下落で富裕層を中心に多くの資産が失われ、下落が長引けば成長率は更に鈍化する。
という内容でした。
富裕層は失った金額ではもちろん多いかもしれませんが、
以下のようにアメリカは日本とは資産構成が異なり一般庶民でも株式の比率が50%程度だと思われますので
株価の下落は一般庶民にとってもかなりのダメージがあるはずです。
それに加えてインフレ率が8%ごえは、ヤバいです。
低所得層ほど、インフレによる影響は大きいので既に財布のヒモはきつーくしばられているはずです。今後あっという間に成長率は低下していくでしょう。
日本ではあまり語られませんが?アメリカは株価とともに住宅価格も急上昇していた為、資産は驚くほど伸びていたはずです。
まさに資産の二大巨頭がガンガン上昇しバブルだったわけです。日本では東京などの一等地でないとこのような恩恵は得られていないでしょう。
海外勢からすると日本はまだまだ安い上、円安もありバーゲン価格なので買い漁られているようです。
日本はほどんどの方がバブルを味わっていないのにインフレ上昇が始まり景気後退に向かうという、踏んだり蹴ったりの状況ですね。
「米国株式市場の下落はいつまで続くのか」についてはこちらをご参考ください。
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