投資信託、信託報酬の引き下げ競争 最安ファンドを買うことがすべて?

来年から始まる新NISAで顧客を獲得しようと各社が投資信託の信託報酬の引き下げ競争をしています。

投資家としては大変うれしいことではありますが、最安のファンドを買うことが全てなのでしょうか?

投資家がどのぐらい細かくあるか決める要素

トウシル、山崎元さん。

投資家はどれくらい「細かい人」になるべきか | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
インデックスファンドの信託報酬率の引き下げ競争が話題を呼んでいる。筆者は2018年のつみたてNISAの導入の影響が大きかったと感じているが、投資家にとって基本的に「いいこと」である。 ただ、競争の単位がだんだん細かくなってくると、「その…

信託報酬(コスト)にどれぐらい細かく考えるべきなのかについて語っています。

抜粋、一部をまとめると。

ファンドのコスト比較は大事なのだが、同時に「信託報酬の比較にのみ血道を上げるケチ」のように彼らが思われることがあるのは本意でない。

では、例えば信託報酬は、何ベイシス(1ベイシス=1%の100分の1)の差まで問題にするべきなのか。

■運用資産額別の信託報酬を問題にすべき条件

100万円
いささか「細かすぎ」

1千万円
気にしても恥ずかしくないレベル
※検討や資産を移す手続きに手間や時間が掛かったりするとコスト比較上は負け

2千万円
5ベイシスであれば問題にすべき

1億円
1ベイシスであれば問題にすべき

■投資家がどの位細かくあるべきかを決める要素

1.運用資産額

2.個人の時間コスト

3.本人がどのくらいケチか
ここにこだわって小さな差を問題にした場合に、要領よく時間を使わないとコスト負けして、残念で且つ見苦しいことになるので、注意したい要素

まとめ

山崎元さんが語る「投資家はどれぐらい「細かい人」になるべきか」についてご紹介をしました。

3つの要素で決めるということでした。

1.運用資産額
2.個人の時間コスト
3.本人がどのくらいケチか
 
個人的には、たとえ投資を始めたばかりの運用資産額が少ない初心者であっても、その投資信託が同じインデックスの内容が同じ商品であれば、よりコストが少ない商品を選んだ方がいいと考えます。
理由は3つです。
1.初心者こそ、投資コストの重要性を意識した方がよい
初めに投資コストの重要性を理解していないと、ゴミ商品や詐欺に引っかかる可能性が高く、目標にたどり着くために大きな回り道をしてしまうことになります。
2.今は億単位を運用するベテランでも初めは少額投資からスタートしている
株式で10憶円の資産を築いた投資家であっても初めは100円、数万円かは分かりませんが少額投資から始めています。
そして今後、数十年と長期で持ち続けるインデックス投資であればなおさら、低コストな方がいいです。
この初心者が将来は億単位の資産を運用をしているかもしれません。
3.投資環境の競争をうながし、健全化させるため
現在のインデックス投資信託の純資産額ランキングを見ても分かるとおり、お馴染みの顔触れが並んでいます。
過去に設定されて高順位に入っている「?」と思うようなファンドは時間とともに消えてゆくでしょう。
eMAXIS Slimをはじめとする、これらの上位ファンドは業界最低水準のコストをかかげ実施してきたので今があります。
実際にこれらのファンドより先にインデックスファンドを立ち上げた会社はありますが、コスト競争に参入しなかったファンドは衰退していきました。
つまり、コスト競争は投資業界を健全化させます。
よって初心者からベテランまでコストにはこだわっていただきたい。
と偉そうに書いてはいますが、保有している米国株の投資信託には以下のような高コストなものもあります。
SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン
設定日 2013/11/19
信託報酬 0.55%
信託財産留保額 0.2%
コロナショック前に一部売却し他商品の購入費用にしましたが、まだそれなりの額を保有しています。
しかし、この頃に米国株に投資をしようとするとこんな商品しかなかったのです。これでもコストを比較してから購入したのを憶えています。
その時に最安のコストで購入しても数年後にはこうなることもあるといういい例です。コストにこだわらないと傷口はより広がるということです。
今年、もしくは来年に売却し新NISAで低コストなインデックスファンドを購入する予定です。
 
インデックスファンドについてはコストが全てと言っても過言ではありません。
しかし、山崎元さんが言っているように投資信託のコストは開示していないものが多く実質のコストが簡単には見えません。
信託報酬にどこまでの経費が含まれるのか等の問題を考えると、米国のミューチュアルファンドのように、経費率とその内訳を問題にすべき時期に来ていると思う。運用会社の利益だけでない、コスト内訳の丁寧な開示が必要だ。
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の信託報酬0.05775%についても業界を騒がせています。
「弊社ファンドでは、指数の標章使用料は信託報酬率に含めており、信託報酬水準が公正な比較対象とならないため、現時点では追随しない方針」(三菱UFJ国際投信)
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どのファンドのコストが本当に安いのかは、1~3年経てば徐々に見えてくるでしょう。

 

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