今後10年間、お金を自分のために働かせる方法 プロの投資家など9人の見解

多くの人はただ働くだけでは、お金持ちにはなれません。今後10年間、どのように「お金」に働いてもらえば、お金持ちへの道が開けるのか9人のお金の専門家が解説しています。

S&P500のリターンがマイナスになる可能性がある

ほとんどのアナリストは「これからの10年間がパンデミック前の経済状況と似たものになるとは予想していない」とのこと。

プロの投資家、ストラテジスト、ファイナンシャルプランナーなど9名が、これからの10年は過去10年とどう違うか、そうした変化をどのように味方にできるかについて語っています。

■ダマニック・ダンテス氏(ストラテジスト)

・投資家は低金利や量的緩和(QE)ではなく、何年にもわたり引き締まった金融環境と戦わなければならない

・パンデミック後や、金利が人為的に長期間抑圧されてきた量的緩和策の時代とは同じリターンはもはや得られない

・(現在の高い)基準金利は、期待リターンがこれまでの水準を下回ることを意味する

・米国外の株は安定配当と魅力的なバリュエーション(株価評価)により、今後数年間アウトパフォームする可能性がある

・米国がインフラ分野への投資を加速していることや、政治リスク回避のために企業がサプライチェーンを自国に回帰させていることから、インフラ株にも強気

・債券利回りは世界金融危機前から最も高い水準に上昇しており、米連邦準備理事会(FRB)による最後の利上げ後は、債券と株式の分散ポートフォリオのリターンがキャッシュのリターンを上回る

■マット・マクレナン氏(ファンドマネージャー)

・現在は1960年代後半から1970年代初めに似ており、当時は米国外の株のリターンが米国株を上回り、金のようなディフェンシブな安全資産を追加するのも優れた戦略だった

・妥当な価格で購入できる、安定したキャッシュ・フローを創出する企業に注目し、状況によっては、そうした企業に今後数年~10年投資し続けたい

・金利はパンデミック前の水準には戻らず、高く長い状態が続くと予想

・ここ数年市場を席巻していたグロース株は、2020年代半ばに厳しい現実に直面する

・資本コストの正常化が進み上昇するならば、投資先のバリュエーションを注視するのが妥当。資本コスト上昇の打撃を最も受けるのは、息の長い成長ストーリーに基づいて買われていたグロース株

■二コラ・スタフォード氏(ファンド運用)

・粘着質なインフレと金利の高止まりに備えてポートフォリオを整えている

・低金利環境は終わり投資環境は過去20年からガラリと変わる

・中型株は大型株よりも成長余地が高く、定評ある経営陣がいるため、小型株よりも回復力が高いことが多い

・中型株は、成長していて、時間とともに利益が拡大し、市場よりも優位性を発揮している企業を見つける興味深いセクター

・運用するファンドで2番目に多く保有しているのは、マネージドケアのモリーナ・ヘルスケア(MOH)

■ピーター・バイツ氏(株式戦略ポートフォリオマネージャー)

・2020年から2030年までにおける経済の特徴は、金利上昇、インフレの継続、雇用市場のひっ迫になる

・長期的な需要見通しが堅調なことを受けてヘルスケア企業を推奨

・金利環境が追い風となっていたグロース株から幅広くバリュー指向銘柄への分散も推奨

バリュー株やヘルスケア株のETF

バンガード・バリューETF(VTV)
iシェアーズ・ラッセル1000バリューETF(IWD)
ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRファンド(XLV)
iシェアーズ・グローバル・ヘルスケアETF(IXJ)

■コール・スミード氏(ファンド運用)

・これからの10年間はS&P500のリターンがマイナスになる可能性が高い

・今後10年はカナダのエネルギー株や欧州銀行株も高いパフォーマンスを上げる

・銀行とエネルギーという2つのセクターに資金が流入する

■フィリップ・コルマー氏(ストラテジスト)

・バリュエーションの高さから、長期的にS&P500の低迷を予想

・10年間米国株の年平均成長率(CAGR)を1%近辺と予想しているのに対して、米国以外の株式のCAGRは年率約4%と予測

・欧州金融株を推奨。ユーロ圏、転じて欧州の銀行は、カナダの住宅市場の低迷やカナダ・ドルの下落の恩恵を受ける

・米国に比べて割安なことからユーロ圏(除く英国)全体の株式を推奨

ユーロ圏のETF
iシェアーズMSCIユーロ圏ETF(EZU)
iシェアーズMSCI欧州金融ETF(EUFN)

■ボブ・ドール氏(ステラジスト)

・普通は10年間の利益成長率が高い銘柄のパフォーマンスが良好なものだが、再びそれが起こらない理由は見当たらない

・テクノロジー株や、ヘルスケアと一般消費財のセクターで利益成長率の高い銘柄に投資をしている

■マイケル・シェルドン氏(FP会社の責任者)

・ドルコスト平均法という実証済みの戦略を守り、401(k)(企業型確定拠出年金)を活用してマッチング拠出することが大事

・早くから定期的に投資することが極めて重要

・借入コストが今後10年間高止まりする可能性があるため、できる限り負債(クレジットカードローン、自動車ローン、住宅ローンなど)を削減する

■クリス・チェン氏(投資会社の創業者)

・投資期間の長い人はダイレクトインデックスを検討すべき

※ダイレクトインデックスとは、SPDR S&P500ETFトラスト(SPY)のようなインデックスファンドを買うのではなく、インデックス構成銘柄に直接投資する手法

BUSINESS INSIDER さんの記事はこちら

まとめ

米国のプロの投資家、ストラテジスト、ファイナンシャルプランナーなど9名が語った、今後の10年とどのように投資でお金を増やしていくかについてご紹介をしました。

アクティブファンドの方に聞いた時にあるあるな、予想は一致しないということなので結論は出せません。
誰も分かるはずがないことを予想しているので、当たり前なんですけどね。ただし、聞いている分には「なるほどなぁ」、「そう考えているのか」とかとか思え、おもしろいです。
比較的、多い予想というのは、こんなところでしょうか。
・米国株は割高なので今後、他国の株よりリターンは低くなる
・債券、ヘルスケアセクター、バリュー株など比較的手堅い投資を推奨
 
「米国株は割高でここ数年のパフォーマンスがかなり良かったので、今後はこんなことはありませんよ」という意見?予想?には同意します。
データ的にも今後の米国のGDPは他国と比較し低迷することは示されているので必然というところでしょうか。しかし、未来がどうなるかは誰にも分かりません。
というところから、FPさんの意見が適切です。
・早くから投資を始める
・NISAを活用しドルコスト平均法でインデックス投資をする
・借金は早く返済する
大げさに聞こえるかもしれませんが、この3つを実践するだけでお金に関して大きな問題は起きません。というか多くの人より多くの資産を築くことができます。
たった、これだけのことをするか、しないかはあなた次第です。
結論としてはいつものとおりになりました。(^^;
シンプルに長期投資を継続していきましょうね。
 
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