今後3年で投資すべき国「海外直接投資 信頼度ランキング」で日本は3位 米国の順位は?

経営コンサルティングファームのA.T. カーニーは、世界の企業経営者を対象にしておこなった「2023年 海外直接投資 信頼度指数」の調査結果ランキングを発表しています。

「海外直接投資信頼度ランキング」1位の国は?

「海外直接投資信頼度ランキング」とは A.T. カーニー がある国の企業が別の国の企業に今後3年間におこなう世界の株式投資先として最も魅力がある国の上位25カ国をランキングにしたものです。

結果はこうなりました。

カーニーの調査資料より

1位 米国 11年連続の1位
2位 カナダ 昨年の3位からランクアップ
3位 日本 昨年の4位からランクアップ
4位 ドイツ 昨年の2位からランクダウン 地政学的危機による経済とエネルギーの問題
5位 英国
6位 フランス
7位 中国 昨年の10位からランクアップ ゼロコロナ政策の撤回
8位 スペイン
9位 シンガポール 成長率は3.6%で先進国平均2.6%をはるかに上回りランキング内で最大の上昇
10位 オーストラリア

投資家は先進国市場を好む傾向で上位25カ国中19カ国と8割近くをしめています。

2023年に初めて導入された新興国のランキングです。

カーニーの調査資料より

1位 中国
2位 インド
3位 アラブ首長国連邦
4位 カタール
5位 タイ
6位 サウジアラビア
7位 ブラジル
8位 メキシコ
9位 スペイン
10位 アルゼンチン

上位 6 位は、新興国で世界ランキングに含まれる国になります。

中国(7位)、インド(16位)、アラブ首長国連邦(18位)、カタール(21位)、タイ(23位)、サウジアラビア(24位)

ブラジル(7位)、メキシコ(8位)、アルゼンチン(9位)と中南米の国が続き、好調な東南アジアのマレーシア(10位)、インドネシア(11位)、フィリピン(12位)、ベトナム(13位)が上位に入っている。

新興市場全体の楽観水準は先進国市場よりも低いものの、投資家はリストのほとんどの新興市場について悲観的というよりは楽観的です。東南アジアは特に有望視しています。

2023年の海外直接投資 信頼感指数

Oxford Economicsによると2022年の世界の海外直接投資(FDI)流入は、2021年の推定水準である2.07兆ドルからわずかに増加し、2.13兆ドルになっています。

カーニーの調査資料より

各国のビジネスリーダーは以下のように楽観的な兆候を示しています。
82% 今後 3 年間で FDI を増やす計画がある
87% 今後 3 年間の企業の収益性と競争力にとって FDI がより重要である

世界経済の投資家の見通しは悲観レベルは32%から35%とわずかに上昇したが、投資家の63%は世界経済について悲観論よりも楽観論を維持している。

カーニーの調査資料より

楽観的な兆候は、国のランキングとスコアにも見られた。

今年は、ランキングの上位25カ国のうち13カ国がスコアを改善したが、これらの増加は主に最高位の国 (上位10カ国のうち8カ国) に集中している。

対照的にランキングの下位15カ国のうち10カ国でスコアが低下しました。

2022年からスコアが低下した12カ国のうち8カ国がヨーロッパに拠点を置いています。これは、ロシアとウクライナの紛争の影響に対する投資家の懸念を反映している可能性があります。

まとめ

今後3年間におこなう世界の株式投資先として最も魅力がある国のランキング「海外直接投資信頼度ランキング」についてご紹介をしました。

投資家は利上げが続いているのにも関わらず、投資に関して思ったより楽観的に見ていることが分かります。

しかし、商品価格の上昇、地政学的緊張の高まり、新興市場における政治的不安定性を今年最も高いリスクとしてあげています。

・ロシア、ウクライナ紛争

・コモディティ価格の変動
エネルギー価格は、ヨーロッパで前例のないレベルまで上昇

・高インフレ
世界のインフレ率は2022年に7.8%に達し、2023年は引き続き5%を超える予想

・パンデミックの影響

 

これらのリスク懸念はあるものの利上げが最終局面をむかえているため、株式市場は上向くと信じているということでしょう。

国のランキングでは、米国が不動の1位。一国への投資としてカナダはあまり取り上げられない印象ですが2位にランク、非常に信頼されていますね。

そして、日本が3位にランクしました。3~6位はあまり差がない気がしますが、衰退しているとは言え、まだ世界でGDPが3位の国ですからね。

バフェットさんが来日、インタビューに答え日本の広告塔になってくれていますね。

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海外からは国内での印象よりは信頼されているということです。投資環境、法制度が整い、非常に安全な国です。

ランキングを見ると国の規模よりも先進国で法整備がきちんとなされている国が投資家の信頼があると感じます。法制度が整っていない国に投資をしても最終的に報われない可能性が大きいです。

新興国で注目せざるを得ないのは、やはり16位のインドです。その他23位のタイと中東各国も急速に力をつけ投資家に認められていますね。

今後の経済成長率予想は、新興国が先進国を圧倒しています。

IMFより

この辺りをどう考え投資をしていくかです。未来の分からないことに時間を使いたくないということでしたら、全世界株へのインデックス投資ということになりますね。

それは、もちろん正解の1つです。

私は新興国株を買うタイミングを逃し続けているので暫くは先進国投資でいくと思います。知らんけど。^^

 

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