新NISAの出口戦略 成長投資枠、積立投資枠ともに「利益が出たら売る」?

新NISAの投資方法などの説明は多いですが、出口戦略についての説明はあまりありません。出口の取り崩し方法などについて解説します。

新NISAの出口戦略 利益が出たら売る?

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新NISAの出口戦略は「利益が出たら売る」 制度変更で“失敗を取り返すチャンス”も増えた | マネーポストWEB
2024年から新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、長期投資にさらに注目が集まる見込みだ。では、新NISAでの長期投資をおこなう際に、どのタイミングで資産の売却をすればよいのか。新刊『日経マネー...

要点をまとめると。

■現NISAと新NISAの非課税枠の違いと売る意味
現NISA
商品を売ると非課税枠が消滅する

新NISA
売った翌年に非課税枠は復活する

リスク資産への投資で「増やしたお金を使って何かをしたい」という目的で始めたはずなので、タイミングをみて売却、利益確定するのは一番大事なこと。

■売るタイミング
一般NISA や新NISAの成長投資枠で株、ETF、REITなどを買っている場合

大きく値上がりしていて、「そろそろこの辺がピークだ」と思った時。

投信を積立で買っている場合

なるべく長く運用を続けた方が複利の効果が生かせるが、「かなり利益が出ている」、「お金が必要になった」場合は迷わず売る。

退職が近い場合、退職前の数年間に相場状況を見ながら少しずつ売っていけば、リタイア時に退職金に加えてある程度の現金資産が確保できる。

相場状況が悪くて売ると損が出るなら、そのまま持っておく。

■株や投信の売却方法
証券会社の場合、現金で出金できるのは通常、売った日から3営業日目になる



・部分的売ることができ「単元株」という単位で売ることができる

・株の多くが100 株単位だが、REIT やインフラファンドは1株単位、ETF の多くは1株や10株単位で売買できる

・一部の証券会社には株数指定でなく金額指定でも株を売買できる仕組みもあるが一般的ではない

投資信託

・全ての会社で金額指定で売買できる

・「定期売却サービス」で毎月一定の日に決めた額を自動売却することも可能
※楽天証券、SBI 証券、フィデリティ証券、セゾン投信、SMBC 日興証券など

■課税口座とNISA 口座での同じ商品の売却
・課税口座を先に売却する

・課税口座は配当が出るたびに課税されて2割減になるので税制面で有利なNISA 口座を後にする

■投資する資金がなくなった場合
ネット証券の場合は、積立設定を解除するだけ。積み立てた投信の資産は解約(現金化)されることはなく、そのまま保有される。

まとめ

新NISA、NISAでの出口戦略についてご説明をしました。

・株、ETFなどはピークだと思った時に売る
・積み立てた投信は「かなり利益が出ている」、「お金が必要になった」場合は売る
・積み立てた投信は退職の数年前から徐々に売っていく

 

既に突っ込みどころが、分かっているかもしれませんが、指摘をする形で解説をします。

まず、新NISAを使う目的が何なのか?ということです。国としては「老後資金を作る」という目的で作った制度だと認識しているので、この前提でお話をします。

 

株、ETFなどはピークだと思った時に売る

株については、どうなるか分からないので自分が売ると判断したのであれば売ればよいと思います。

しかし、ETFについてはインデックス型の商品であった場合、ピークだから売るという判断には同意できません。

追加投資ができない場合であっても、ピークなど誰にも分からないのですから目先のことだけではなく広い視点を持って保有、配当金は再投資をして本来の目的でお金が必要になった場合に売却をしましょう。

積み立てた投信は「かなり利益が出ている」、「お金が必要になった」場合は売る

リスク資産への投資で「増やしたお金を使って何かをしたい」という目的で始めたはずなので、タイミングをみて売却、利益確定するのは一番大事なこと。

特定口座の商品で自分が当初立てた目的と合致しているのであれば売ってもよいと思います。

しかし、NISA口座の商品を切り崩すのは一番最後です。

もし、「増やしたお金を使って何かをしたい」という「何か」が家や車などの場合、老後資金は確保していない方であれば、今一度考える必要があります。

そのような、当初の目的ではなく贅沢のためにNISA口座で積み立てた商品を売却するというのは本末転倒です。

NISAをしている目的が「贅沢をするため」だったという方を止めることはしませんが…。

 

積み立てた投信は退職の数年前から徐々に売っていく

出口戦略という意味では、主にこの内容だと思いますが、実際にFIREしている経験から「退職前から切り崩しを行う」ということについては同意できません。

他のFIRE、退職をされている方のブログなどの情報でも、そのような方は今まで見たことがありません。

机上の空論に近いものがあります。

NISAで長期的に積み立てをしてきたような方が「退職と同時に手元のお金が0円なる」ということは、まずないでしょう。

もし、ほぼお金がない場合であっても退職後に切り崩せばいいです。

暴落を想定してのことかもしれませんが、分からないことを想定しても仕方がありません。

実際にFIREした翌年は株価が暴落し年間の運用益はマイナスになりましたが、お金を作るいう目的で売却をした商品は1つもありません。逆に買っています。

もし、お金に困っていたとしてもある程度の金融リテラシーがある方であれば、合理的でないことが分かるので”何とか”するのです。

これ、フルインベストメントの方は除きます。そのような方は余計に”何とか”すると思いますので。^^

で、出口戦略としては、完全にキャッシュフローが回らないことが見えたのであれば、投資資産額を年率3%ぐらいの水準で取り崩しましょう。

年間一括でもいいですが、お金が必要になってからでいいと思います。

【必要資産額が増加】FIREは逆風に直面している
今後FIREする人が年間に取り崩せる額は従来の4%から 3.3% 程度に減らさなくてはいけなくなったという調査レポートをMorningstarが公表しています。

 

かつてはS&P500のETFで下落した時に買って上昇したら売るなんてこともしていた時期もありました。

後々、保有し続けていた方がはるかにリターンが大きく失敗だったと学んだ経験からあるからこそ、こんなことを書いています。

 

しなくてもよい失敗をする必要はありません。自分の頭で考え決断したことを、ともに行動に移していきましょうね。

 

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