iDeCoと新NISAの使い分け方 老後資金はどっちを使う?

非課税制度であるiDeCoと新NISAは使い分けなどについて解説をします。

老後資金は「iDeCo」で積み立てる

日経新聞さんのiDeCoに関する記事はこちら

iDeCo300万人時代の活用術 新NISAと使い分け - 日本経済新聞
個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の加入者が4月末時点で293万人となり、300万人の大台が迫る。昨年10月から企業型確定拠出年金(DC)と併用できる対象が広がり、老後の資産形成手段として利用する人が増えている。使い方や注意点を整理す...

 

内容をまとめると。

■iDeCoはどのような制度か

・国民年金(基礎年金)や厚生年金に上乗せする任意加入の私的年金のひとつ

・自分で決めた運用方針に従って商品や資金配分を決める

・掛け金は全額が所得控除の対象となり所得税・住民税が軽減される

・運用益は非課税

・一時金として受け取る場合には「退職所得控除」、年金で受ける場合は「公的年金等控除」の対象になる

・原則60歳までは引き出せない

■iDeCoの加入資格と限度額

・20歳以上65歳未満の国民年金被保険者は原則加入できる

■iDeCoの限度額

・掛け金は月額5000円以上で、1000円単位で自由に設定が可能

公務員:1万2000円/月

会社員:DC・DBの有無によって1万2000円〜2万3000円/月
DC加入者
iDeCoの掛け金は1万2000円、DCとの合計額は5万5000円まで

DB加入者
iDeCoの掛け金は1万2000円、DBとの合計額は2万7500円まで
※来年12月にiDeCoの上限額が引き上げられる

専業主婦(夫):2万3000円/月

自営業者:6万8000円/月

■証券会社や投資商品

・金融機関によって取扱商品が異なるので、自分が投資したい商品があるかを確認した上で、口座管理手数料や加入者向けセミナーなどサポートがあるかなどを基準に選ぶ

・投資対象は元本確保型と投資信託の大きく2種類ある


・長期投資が可能な若い世代はある程度リスクの高い株式型などの商品も選択肢だが、

残りの投資期間が短い世代は安定的な投資を心がけるべき

・少しずつ株式の比率を増やすなどし、価格変動に慣れていくことが大事

■iDeCoと新NISAの使い分け方

<資産形成の目的>

老後資金
iDeCoや企業年金制度で積み立てる。

結婚や出産、教育、住宅購入など
新NISAで運用。

<職業、収入の有無>
所得の高い人
iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象となるため、税制上のメリットが大きい。

専業主婦(夫)など所得のない人
iDeCoのメリットは少ない。老後資産を増やしたいなら、所得控除はないが投資枠が相対的に大きい新NISAのつみたて投資枠を活用してもいい。

自営業やフリーランスなど企業年金がない人
iDeCoで税制メリットを受けながら老後資金を積み上げる

<年齢>
短期間で老後資金をためなければならない人
新NISAで資産の積み上げを急ぐ。iDeCoの投資枠は新NISAと比較すると小さいため

■iDeCoの手数料

加入時:2829円
掛け金納付の都度:105円

金融機関の運営管理手数料:
ネット証券など無料のところから年間数千円かかる金融機関もある

■NISAの手数料

口座開設や管理の手数料はない

■注意点

iDeCo

転職時、登録事業所の変更手続きが必要になる。

NISA
現行NISAでは一度投資枠を使って金融商品を購入し売却すると、その投資枠が復活することはない。新NISAでは上限の範囲内であれば、売却しても翌年投資枠が復活する。

まとめ

iDeCoの制度と新NISAとの使い分け方についてご紹介をしました。iDeCoの概要については理解できたのではないでしょうか。

■iDeCoとNISAの使い分け方
・iDeCoで老後資金を積み立てる
・NISAで結婚や出産、教育、住宅などの必ず使う大きな費用を積み立てる
 
iDeCoの利用方法として「老後資金の積み立て」とは個人型確定拠出年金なので当たり前なんですけどね。^^
国が用意したiDeCoとNISAの非課税制度は将来の年金は減額する予定なので老後資金は自分達で準備してね。ということです。
本来は「結婚や出産、教育、住宅」などにNISAで積み立てた資金を使うべきではないと個人的には考えています。
なぜなら、複利が効いていない、または今後大きく効いてくるであろうところで現金化してしまうのは制度の目的から外れているからです。
「結婚や出産、教育、住宅」って積み立ててから何年後の話でしょうか。2~20年後とかですか?
特に数年後に使うことが分かっている資金をNISAで運用してはいけません。
「結婚や出産、教育、住宅」などの費用は基本的には働いたお金で支払ってください。その上で、「どうしても支払いができなくなってしまった」という最後の選択でのみ投資商品の一部を切り崩してください。

初めから、証券口座のお金をあてにして、タコ足のように自分で食べていたらいつまで経っても資産が増えることはありません。

 
証券会社の選択方法については「サポート体制を確認」とありますが、大手ネット証券会社の一択です。間違っても店舗のある証券会社、銀行などには行かないでください。
 
私はiDeCoで最低限の拠出をしていますが、”自分で積み立てたお金を老後に使うことができない可能性がある制度”のため、みなさんにはiDeCoをおすすめしていません。
また、国は退職金控除額を縮小する方向で進めているようなので、早急に制度改革をしない限りはメリットが非常に小さい制度になってしまいそうです。
 
 
詳細な理由やiDeCoについてはこちらで、より詳しく解説をしています。
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