「投資はしないほうがいい」と思っている人も実は投資をしている話 GPIFに学ぶ投資の基本

「投資はしないほうがいい」と思っている人でも、既に投資はしています。現代社会は投資とは切り離せない社会になっているのです。

「投資はしないほうがいい」と思っているあなたは既に投資をしている

日本で投資をしているのは10人に1,2人とか言われていますが、実はほぼ全ての人は「既に投資をしている」と言っても大げさなことではありません。

なぜなら、あなたが支払ったお金で間接的に投資がされ、あなたの元に返ってきているからです。

以下が身近な例ですが、銀行に関しては預金者にほぼうまみはないので、年金を運用しているところが大きく影響しています。

・支払った年金は国(年金積立金管理運用独立行政法人=GPIF)が株や債券などで運用したお金を年金として受給する

・銀行に預けたお金は銀行が国債などで運用したお金を利息として受け取る

 

GPIFに学ぶ投資の基本

GPIFって?

GPIFとは年金積立金管理運用独立行政法人のことで、Government Pension Investment Found(政府年金投資ファンド)の略です。

公的年金を管理、運用している公的機関です。

「歳をとって働けなくなる」「病気や事故で障害を負う」「一家の大黒柱を亡くす」など人生のリスクに備えて、国民みんながお金を出し合う助け合いのしくみです。

高齢者の暮らしを障害にわたって支えるものとして、大切な役割を果たしています。

 

GPIFがしていること

現役世代から年金保険料としてお金を集め年金の支払いなどに充てられなかったお金を年金積立金として、将来世代のために運用して増やしています。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

運用指針

長期、分散で株式、債券に投資をしています。

分散:リターンが一番多い資産は変動する

各資産を2006~2022年まで年別にリターンが多い順番に並べています。

近年は外国株式が上位が多い印象ですが、年によっては5位になることもあり、どの資産がリターンが多くなるのかは分かりません。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

 

分散:資産によってリスクは異なる

ブレ幅が大きい程、リスクが高いことを示しています。外国株式、国内株式、外国債券、国内債券の順番でリスクが高いことが分かります。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

 

分散:卵を1つのカゴに盛るな

資産運用には「卵を一つのかごに盛るな(Don’t put all eggs in one basket)」ということわざがあります。

性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することにより、安定的な運用成果が得られます。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

 

長期:長期運用の効果

100万円を1年間だけ運用した場合

100万円を4つの資産に25%ずつ投資をして1年間だけ運用した時の結果です。リターンがマイナスの年が52回中、15回あります。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

100万円を10年間、運用した場合

100万円を4つの資産に25%ずつ投資をして10年間、運用した時の結果です。元本を下回る年はありません。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

ポートフォリオ

2022年4月から以下のポートフォリオを目指しています。過去から国内債券を減らし外国株式、国内株式、外国債券の比率を大きく増やしてきた経緯があります。

■2020年4月1日~

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

■2006年~2019年

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

 

2022年6末時点でのポートフォリオです。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

運用実績

2001年から2022年3月末までの運用実績です。リターンは+3.56%となっています。

 

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

 

GPIFのホームページ

年金積立金管理運用独立行政法人
年金積立金管理運用独立行政法人のWebサイトです。年金積立金の安全かつ効率的な管理・運用に努め、年金制度の運営の安定に貢献します。

 

まとめ

・日本人、誰もが年金を通じて投資をしていること
・年金を管理しているGPIFの運用から学べる投資の基本

についてご説明をしました。

 

GPIFが運用している内容はまさに国内株式、外国株式、国内債券、外国債券の4資産を用いた長期、分散、積立のインデックス投資です。

以前の国内債券67%のポートフォリオには疑問がありますが、現在は投資の教科書どおりのことをやっているということです。

テストに出る内容なのでしっかりと憶えましょう。^^

個人投資家がGPIFの運用をマネしても全く問題はありません。投資に正解はないのでこの基本を理解した上で、自分でアレンジしていくのはもちろんアリです。

 

↓↓↓2022/08/22 追記↓↓↓

以下の内容を書いたのですが、おかしいな。と思いつつ再確認をすると棒グラフ1本1本が、投資をして10年経った後の結果のグラフだったようです。

「10年までの経過のグラフ」と勘違いをしていました。大変失礼しました。

よって、「「長期運用の効果」について盛りすぎです」ということはありません。正しいです。長期投資バンザイ!

しかし…誤解のないように言っておきますが、”長期投資だから”リスクが減るということではありませんので、その辺りはしっかり認識しておいた方がよいですね。

今回、GPIFが公表している資料を元に説明をしていますが、国が公表している資料だからと言って、全てを信用してはいけません。

「長期運用の効果」については明らかに盛りすぎです…

10年間元本を割らないなんていうのは超レアケースです。だからわざわざ、1970年代のケースから切り取ったのでしょう。

投資というのは悪いこと(リスク)があるからこそ、良いことがあるのです。

投資商品の説明でまるでリスクはないかのように「元本は割りません!」みたいな、資料を出されたら詐欺だと思いますって。この内容については残念でした。

↑↑↑2022/08/22 追記↑↑↑

 

ここ数年、投資が一般の方にも認知されるようになってきたからか?株式が下落しても野党、マスコミともに騒がなくなりました。

GPIFの運用を批判して、含み益の101兆円をどのように説明をするのでしょうか。

 

投資の基本をしっかり学んだ上で自分なりの投資方法を見つけていきたいですね。

 

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