米消費者物価指数(CPI)発表後にグロース株はさらに下落する可能性あり

本日、10月の米消費者物価指数(CPI)が発表されますが、インフレがまだ続いていることが示されれば、

グロース株は再び打撃を受ける可能性があるとジム・クレーマーやJPモルガンは警告しています。

CPIの発表後にグロース株はさらに下落する可能性

先日、ジム・クレーマーは以下のように語っています。

消費者物価指数が猛烈に上昇すれば、画面上でより多くの恐怖を目にすることになるだろう。だから人々はそれよりも先に売ったのだ。

投資家は、木曜日の朝に発表される予定の 10月のレポートを精査し、

FRBが利上げペースを緩める可能性があることから、インフレ率が低下している兆候がないかを調べます。

株価は水曜日に下落し、暗号通貨が売られたことと、

中間選挙後にどの政党が議会を支配するかという不確実性が重荷となり、3日連続の上昇の後、市場は下落しています。

金利が上昇すると、事実上すべてのもの、特にテクノロジーですぐにひざまずく売りが発生します。

これらの企業の中には、他の企業よりずっと良い業績を上げている企業もあるが、それらはすべて同じように取引されている。

 

ウォール街はCPI発表後のリスクに備えている

JPモルガン・チェースはCPIにより株価が以下のように変動すると予想しています。

総合CPIの前年同月比の伸びが7.9%や8%に鈍化するといった市場予想に沿った数字となった場合は、

債券と株式双方にとって「若干の好材料」ととらえられるだろう。

S&P500は1.0~1.5%上昇する可能性がある。

前年比の上昇率が前回9月に記録した8.2%に近い値、あるいはそれを上回った場合は波乱が予想されるとし、

仮に8.4%以上となった場合はS&P500が最大6.0%下落する公算が大きい。

前年比の伸びが7.6%以下となった場合は、S&P500が5%余り急騰し、米10年債利回りは低下して4%を割り込むとみている。

出典:Bloomberg

 

まとめ

10月の米消費者物価指数(CPI)発表後の米国株価への影響についてご紹介をしました。

CPIが大きく上昇した場合、株価はハイテクなどのグロース株を中心に大きく下落する可能性がありそうです。

前年同月比CPIの9月実績と10月予想

CPI 9月 10月予想
総合CPI 8.2% 8.0%
コアCPI 6.6% 6.5%

 

前年同月比 総合CPIの10月実績に対するS&P500株価の予想(JPモルガン)

8.4%以上(大きく上昇):4.5~6.0%下落
8.1~8.3%(少し上昇):2.0~3.0%下落
7.9~8.0%(予想通り):1.0~1.5%上昇
7.7~7.9%(少し低下):2.5~3.5%上昇
7.6%以下(大きく低下):5.0~6.0上昇

2022年ハイテク株の下落率を2008年のリセッションと比較するとまだ下落の余地はありそうそうです。

2008 recession
$MSFT: -44%
$AAPL: -57%
$GOOGL: -56%
$AMZN: -45%
$QQQ: -42%

2022 recession
$MSFT: -32%
$AAPL: -23%
$GOOGL: -39%
$AMZN: -48%
$QQQ: -33%

 

今後、買い場がくるかは分かりませんが、株価の変動を狙って売り買いをする方は備えておいた方がよさそうです。

 

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