インデックス投資の最適解「ほったらかし投資術」 新入社員のみなさんに送りたい一冊

今更ながら、「全面改訂 第3版 ほったらかし投資術」を読みました。私なりの感想を書いてみます。

新入社員のみなさんに送りたい一冊

言わずと知れた山崎元さんと水瀬ケンイチさんの競作、第3版です。

ネットでは拝見し、記事にもさせていただいているので結論としては読む前から理解していました。

投資の最適解をシンプルに語ってくれています。より簡単にまとめさせていただくと以下の内容になります。

1.3~6ヶ月の生活資金を確保

2.「リスク資産」の保有額を決める

3.「無リスク資産」は個人向け国債変動10年または銀行預金とする

4.「リスク資産」は全てローコストな全世界株式インデックスファンドに投資する

5.iDeCo、NISAなど税制上有利な運用口座を最大限に利用する

6.適宜、積立での投資を追加するのも可

まさしく、シンプル!
特に「リスク資産」は全世界株式インデックスファンド「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だけと言い切っているところが気持ちがいいです。
水瀬さんがインデックス投資を20年継続し億り人になっていることに説得力がありますね。
この内容は誰にも勧められるもので、新入社員のみなさんに送りたい一冊と言ってもいいでしょう。新入社員の方はぜひ読んで行動をしていただきたい。
私が新入社員の時に読みたかった。(今のような投資環境はなかったので、このような低コスト世界分散の投資はできないですが)

 

まとめ

「全面改訂 第3版 ほったらかし投資術」の概要についてご紹介をさせていただきました。

これから投資を始める方から投資に時間をかけたくないベテランまでこの一冊の内容で問題ない内容です。

 

大変恐縮ながら、私の考えと少しだけ異なるところを3点書かせていただくと。

1.生活防衛資金は生活費の1~2年分を確保する

このぐらいのお金があれば職がなくなっても”焦らずに”転職活動ができます。焦って就職先を決めてしまうと残念な結果になってしまう事が多いです。

2.「リスク資産」については少額の積立投資で始め、よりリスクを取れると思えば投資額を増やし、株価下落でソワソワするようなら減らす。徐々に自分のリスク許容度を把握していく。

本書にはリスク資産額の決め方について以下のように記述されています。

「最悪の場合1年後に3分の1程度損をするかもしれないが、同程度の確率で4割くらい儲かる場合もあり、平均的には年率5%程度の有益率が見込める資産をいくら持つか」と自問して決める。

特に投資初心者の方はこれを言われても自分で判断することができません。少なくとも私はそうでした。

積立投資をしていると徐々に「リスク資産」と投資の知識が増えていくので、心地がよい思えるところまで徐々に増やしていけばよいのです。一刻を争う必要はありません。

3.税制優遇制度は新NISAだけで十分。iDeCoはおすすめしません。

実際にNISA、iDeCoをしている私がiDeCoをおすすめしない理由はこちらです。

NISAとiDeCoの併用ではiDeCoを優先する?
「NISAとiDeCoではiDeCoを優先すべき」との記事を見かけましたので、両方実際に利用している者の立場として率直にNISAとiDeCoでのベストな資産運用方法について考えます。

出版された時期の関係で本書に記述されている新NISAは以前の案の内容になっています。この複雑な2階建てNISAの案は完全に廃止されています。

2024年から開始される新NISAの内容と山崎元さんが語っている新NISAの利用方法についてはこちらです。

2024年からNISA改正へ 新NISAを効率的に使う方法
金融庁が8月に公表したNISAの改正要望に対して政府はほぼ「満額回答」を出しました。この新NISAを効率的に使うにはどのようにすればよいのでしょうか。

 

ポートフォリオについては大枠では同じ考えです。コアの投資対象が異なることや多少の個別株を保有していることなどが異なる点でしょうか。

個別株投資は今回の銀行破綻パニックで保有している銀行株の利益が20%吹き飛んで含み損になったように株価の変動がインデックスとは比べ物にならないぐらい大きいです。

今後、米国の個別株はなるべく売却していく方針です。

 

現在投資をされていない方は、まずはこの内容で始めてみることです。知識が付いてくると様々な投資商品を買ったり余計なことをしがちですが、私はそれをすることを否定しません。

小さい失敗であれば、自分の経験値が増していくからです。

そして、更に知識が付くと一周回って、この「ほったらかし投資」に戻ってくる方も多いでしょう。

 

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