日本のNISAがお手本にしたイギリスのISAは年間の非課税枠を1.3倍程度に引き上げる案が出ています。日本への影響はあるのでしょうか。
ISAは年間非課税枠を1.3倍にする案が浮上
日経新聞さんの記事はこちら。
「NISAのお手本」英ISAの葛藤、マネー流出止めるべきか 一目均衡 市場グループ 松崎雄典 - 日本経済新聞
日本の少額投資非課税制度(NISA)がお手本とした英ISA(個人貯蓄口座)に改革案が浮上している。日本(360万円)と同程度の年間の非課税投資枠(2万ポンド=約370万円)を2万5000ポンドに引き上げるという内容だ。追加分は投資対象を英企...
要約すると。
■英ISA(個人貯蓄口座)の改革案
・日本(360万円)と同程度の年間の非課税投資枠(2万ポンド=約370万円)を2万5000ポンドに引き上げるという内容
・投資対象を英企業の株式に限る
■英国内での反応
・ハント英財務相「とても魅力的だ」
・英金融街シティー「英国は自分自身に投資していない」と訴えていた
・スナク英首相「投資先を政府が誘導していいのか」
■NISAの今後
・分散投資の利点や日本の事情を踏まえると、個人マネーが海外にいく流れは必然
・(岸田内閣の政策に対し)将来の年金給付が不安視され、自助努力を促すことは正しいが、家計にリスクテイクさせて好循環を回そうというシナリオは疑問
・企業が賃上げし、家計が十分な投資や消費をできるようにした方がよい
・ドイツのように政策保有株の売却益を一時的に非課税として売却を促し、個人株主を増やす政策も考えられる
日本企業が魅力的な投資機会を創出すれば国民のマネーも向かう。政策で無理に誘導すべきではない。
お金があれば自然と成長するわけではないのは、日銀の大規模金融緩和の教訓。
まとめ
英国のISA(個人貯蓄口座)で出ている改革案についてご紹介をしました。
・年間の非課税投資枠を2万5000ポンド(約470万円)に引き上げ
・投資対象は英国の株式のみ
英ISAの今回の改革案が実現したとしても、日本のNISAへの影響はほとんどないでしょう。
しかし、英国はISA開始後、個人マネーで国内が潤っているわけではありません。日本も同じことに気付き、遠い将来に同じような政策をとる可能性はゼロではありません。
国内への投資を政策に盛り込むということに関しては、今回の記事の結論と全くの同感です。
日本企業が魅力的な投資機会を創出すれば国民のマネーも向かう。政策で無理に誘導すべきではない。お金があれば自然と成長するわけではないのは、日銀の大規模金融緩和の教訓。
一点だけ。
英国のISAについて全く詳しいわけではありませんが、サラッと調べると、生涯投資限度額は無制限でした。
今回の記事では、年間の非課税枠で日本(NISA)と英国(ISA)を比較していますが、これは生涯投資限度額で比較しないと意味がありません。
現状の生涯投資限度額は、日本(NISA)が1800万円に対して英国(ISA)が無制限です。
まずは、ここを論点として議論をしていただきたい。
NISAは生涯限度額が無制限になることで、ようやくISAに追いつくことができます。まずはそこからですね。
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