クレディ・スイスが公表したレポート「Global Wealth Report 2022」のよると世界全体の富裕層が増える中で
日本の富裕層は1年間で10%以上減少していることが明らかになりました。
世界はより豊かになっている
2011年と2021年の世界の成人の富の分布です。
各層ともにより豊かになり上位層へと移行していることが分かります。
世界の上位1%の富のシェアは2年連続で上昇し、2019年の43.9%から2021年には45.6%になっています。
格差の拡大は、COVID-19の大流行時に金融資産の価値が急上昇したためと思われます。
長期的に見ると、今世紀に入り新興国がより早く成長したため、世界の富の不平等は減少しています。
富裕層(> USD 1milion)は2021年中に520万人増え、年末には世界で6250万人となっています。
日本の富裕層は1年間で10%以上減少
2020年から2021年の間、世界の富裕層が大きく増える中で日本は富裕層の数を前年比10.4%ほど減らしています。
2020年 3760
2021年 3366 前年比 -395
2021年に対米ドルで通貨安となったのが主な要因としています。
日本は他国に追い上げられている
日本はアメリカ、中国に続き3番目に富裕層が多く全体の5.4%ですが、
下位のイギリス(4.6%)、フランス(4.5%)、ドイツ(4.3%)などの国に追い越されるのも時間の問題という残念な状態となっています。
2026年には新興国の富裕層が急増する
世界の富裕層の数はアメリカがトップですが、以下の理由からその優位性は失われつつあるようです。
・資産価格が2021年末のピークから下落している
今後5年間の富裕層の数は中国が97%増(1220万人)であるのに対しアメリカは13%増と予測です。
インドでは160万人となり、現在の2倍以上になる見込みです。その他、ラテンアメリカ、アフリカが大きく増えると予測しています。
世界の富裕層の数は2026年までにほぼ3倍の96万1,000人になるとしています。
まとめ
クレディ・スイスが公表したレポートの富裕層の動向より、今後世界がどのように変わっていくのかについてご紹介をしました。
日本が衰退していくことと、いよいよ新興国の時代が来ることを強く感じさせられます。
レポートの中で日本の富裕層が減っている原因を「対米ドルでの通貨安」としていますが、
2021年時点でこんな状態だと急速に円安となった2022年はどれだけの割合減っているのでしょうか。。
円で1億円の資産をもっていても世界的には富裕層ではないのです。
書いている時点で1ドル145円を突破したので、1億5千万程度なければ富裕層とは呼ばれなくなっている。ということです。
外貨に分散する重要性を強く感じます。
日本の富裕層が減った原因として、資産を円だけで持っている割合が多いのではないかと推測しています。
また、資産の現金比率が多く、株式などの資産比率が少ないためバブルになった時に
新たな富裕層が生まれる比率が他の国と比較し少ないので年々置いていかれているのでしょう。
さまざまなデータを見ると少なくとも今後、数年はアメリカ一強の時代は終わったと感じます。
新興国株は株価下落が始まる前の2021年に全て売却しています。その後、改めて新興国を購入する予定でしたが、タイミングがなかなか難しい。
「新興国は今までの動きとは変わった」という声も聞かれますが、
リセッションになればやはり新興国から資金は吸い上げられると考えています。
難しい相場で難しい決断を迫られそうな気がしますが、事実と向き合いながら長期目線でコツコツ投資を続けていきましょう。
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