住宅ローンの変動金利は政策金利が上がるとどうなる?今できる対策

住宅ローンを変動金利で利用している方は多いですが、政策金利が上昇した場合、どのような状況になってしまうのでしょうか。金利について正しく理解をした上で対策をしましょう。

変動金利を使っている人が理解し対策すべきこと

日経新聞さんの住宅ローン金利に関する記事はこちら

変動金利の住宅ローンに8つの誤解 返済負担どう変わる - 日本経済新聞
ハナ 日銀の金融政策決定会合が6月15〜16日に開かれる。住宅ローンを抱える人は、金利政策が気になるね。岡根 住宅ローンには大きく分けて、借りた後は金利が変わらない固定金利と、半年ごとに見直される変動金利がある。固定金利は10年物国債などの...

分かり易くまとめると。

■住宅ローン金利の種類
固定金利
・借りた後は金利が変わらない
・10年物国債などの長期金利の影響を受ける

変動金利
・半年毎に金利が見直される
・短期政策金利の影響を受ける

■住宅ローンを変動金利で借りている人が理解すべきこと

大手銀行などでベースになるのは、優良企業向けの貸出金利である短期プライムレート(短プラ)。そこに1%上乗せしたのが基準金利

変動金利で借りる人に適用されるのは、基準金利から、顧客の信用度などを考慮した優遇幅を引いた適用金利

・短プラや基準金利は変わらなくても、日銀の短期政策金利の動向次第で金融機関は優遇幅を縮小し、適用金利が上がることもある。

・金融機関が金利を上げ始めても既に借りている人は借入時の優遇幅は変わらず影響を受けない。

・変動金利で借りたい人は優遇幅が縮まらないうちに検討すべき。

・適用金利上昇の要因となる短プラの上昇はゼロ金利が解除され政策金利がプラスになるような状況にならないと起きづらい。それは賃金や物価の安定的な上昇が定着した後で、かなり先になりそう。

・大半のネット銀行の基準金利は、短プラではない独自指標。金利の大きな変化がない状態で銀行が一方的に基準金利を引き上げることは考えづらいが、契約をよく確認しておくべき

・一般的な元利均等返済では、大手銀行などでは変動金利を半年ごとに見直すが、金利の上昇で家計が影響を受けないよう5年間は毎月返済額を見直さないルールがある。5年後も最大で25%しか上げない。

・金利が上がると金利支払いの負担が大きくなるが、5年ルールで毎月返済額が変わらないと返済額に占める金利支払分の比率が上がり、元本がなかなか減らない

・固定金利は基本的に市場の動向で変わり、変動金利より変化が速い。変動金利が上がり始めるときは固定金利はかなり高くなっている。乗り換えても返済額が増えてしまう。

・ローン金利の約半分は、当初の10年間で支払うので、当初の10年間、できるだけ低い金利(変動金利)で返せれば、元本を早く減らせる。

・変動金利で借りてもリスクが小さい人は金利上昇時に繰り上げ返済する余裕がある人。手元に余裕資金が少なければリスクが大きい。

・ペアローンで夫婦の一方が固定、一方が変動で借りていて、金利上昇時、どちらかだけを他の金融機関で借り換えようと考える人がいるが、通常は認められない。

まとめ

住宅ローンの変動金利についてご説明をしました。きちんと理解をして変動金利を選択している方は少ないのではないでしょうか。

今後、政策金利上昇の雰囲気も漂っている状況で住宅ローンを変動金利で借りている人ができる対策です。

■変動金利で借りている人の対策
・金利が上昇しないうちに早めに返済
・金利上昇時には繰り上げ返済をして急いで返済
・固定金利への変更を検討している方は、早めに変更する
 
まず、そのまま変動金利でいくのか、固定金利に切り替えるのかを決め、特に固定金利に変更する場合は、早く動いた方がいいでしょう。
メガバンクなどでは既に今年1月から固定金利を引き上げています。
1月の住宅ローン固定金利、約9年半ぶり高水準 大手5行 - 日本経済新聞
大手銀行が30日発表した2023年1月の住宅ローン金利は、大手5行の平均基準金利で22年12月より0.24%高い3.70%となった。13年8月以来、約9年半ぶりの高水準。日銀が金融政策を修正して長期金利が上昇したため、各行が長期金利に連動す...
資金的に余裕のある方は、「変動金利が上がらないうちに早く支払ってしまう」でよいとは思いますが、その際にも借り換えで、より低い金利にできないか検討すべきです。
金額が大きいだけコンマ数パーセントの違いは大きいです。
 
変更金利上昇時の5年ルールについては、よくない制度なのではないでしょうか。
なぜなら、「今月から5年ルールが適用されます!」とは誰も教えてくれなさそうなので、気が付いた時は状況がより悪化している可能性があります。
金利上昇で支払い額が増えるのであれば、その時に焦って対応しようとするでしょうから。
ペアローンについては論外です。離婚をした時のリスクが大きすぎです。そんなことはあり得ないと思っているあなた、男女はいつどうなってもおかしくありません。
既に組んでしまった方の対策としては、通常の単独ローンに切り替えることしかなさそうです。切り替えはできるようですが、詳しいことは分からないので検討される方は調べてみてください。
 
知れば、考えれば考えるほど住宅ローンは恐ろしいものですね。住宅ローンを組んでいる方は対策をしてサクッと?返済を終わらせてしまいましょう。
 
変動金利についてはこちらでも語っています。
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