複利の正答率が低い日本人 金融教育の義務化が「貯蓄から投資」を加速させる?

日銀が2022年に行った「金融リテラシー調査」によると米国などの海外と比較し日本の正答率が「複利」の問題で低い傾向があることが分かりました。

金融の知識を得ることは、未来の姿を想像する力を養うということ

日経新聞さんの記事はこちら

複利が苦手な日本人 未来を想像できる金融リテラシーを 金融PLUS 編集委員 藤田和明 - 日本経済新聞
夏休みシーズン。自分が金融の知識をもっていて適切に判断できるか、「金融リテラシー」について考えてみるいい機会だ。日銀が事務局を務める金融広報中央委員会が3年に一度、国民の「金融リテラシー調査」を実施している。全国の18〜79歳の個人3万人に...

まとめると。

■複利が苦手な日本人?

日銀が事務局を務める金融広報中央委員会が国民の「金融リテラシー調査」を実施している。

全国の18〜79歳の個人3万人にインターネットでモニター調査した2022年版をみると、米国など海外と比較して日本の正答率が低い項目の1つが「複利」の設問。

Q:100万円を年率2%の利息がつく預金口座に預け入れました。5年後には口座の残高はいくらになっているでしょうか(利息にかかる税金は考慮しない)

1. 110万円より多い    
2. ちょうど110万円
3. 110万円より少ない   
4. 上記の条件だけでは答えられない
5. わからない

■複利の計算方法

正解は1の「110万円より多い」で日本の正答率は43%。米国の正答率は72%。

複利では「70(または72)の法則」が知られる。
複利で預けたり借りたりしたおカネが2倍になる期間を概算できる計算式で、70を金利の数字で割る。
金利2%なら70÷2で「35」年が2倍になる年数だ。

日本の場合、銀行に預けてもほとんど金利のつかない状況が長らく続いた。複利の効果を実感する場面が日常から消えてしまったことが理由の1つ。

■海外における金融経済教育の実態調査報告書

米国

小中高校それぞれで単に知識だけでなく、それを知ることで「何ができないといけないか」まで具体的に提示。

複利でいえば、
単利との違いや年をおって金利が増えることを示せること、
継続的かつ長期的な投資が富を積み上げるのに最もいいとし、
将来価値の計算や開始時期が30歳と40歳とで違いがあることを示せること、
などとしている。

他国
英国やシンガポール、エストニアは複数の科目で金融を教え、数学が入っている。金融リテラシーの高いフィンランドは教員が修士号の取得者。

■結論

金融の知識を得ることは、おカネを通じて未来の姿を想像できる力を養うことだともいえる。

「個人レベルでおカネをどうするかと同時に、成長産業の育成などおカネをどこに使うかで自分たちの社会がつられていくことを理解するのが重要になる」
(監修した栗原久・東洋大学教授)

金融リテラシーについて一人ひとりが広く意識できるよう近づいていくことで、日本の「貯蓄から投資」の議論もより深みが増していくのだろう。

まとめ

日銀が2022年に行った「金融リテラシー調査」についてご紹介をしました。

幅広くは以下のような結論となります。

金融の知識を得ることは、おカネを通じて未来の姿を想像できる力を養うこと
金融リテラシーを身に付けることは、生きていく上での1つの武器を持つということです。
 
複利の問題については正解することができたでしょうか?
真っ先に 72÷2%=36年 と200万円になる年数(2倍になる年数)を求めましたが、ここからは「たぶん110万円以上だろう」ぐらいしか分かりませんでした。
結局、100万円に1.02を5回掛けました。正解は1,104,080円で110万円を微妙に上回っている程度の金額なので、計算しないと分かりません。><
 
 

日本の場合、銀行に預けてもほとんど金利のつかない状況が長らく続いた。複利か効果を実感する場面が日常から消えてしまったことが理由の1つだろう。

マンガ「ドラえもん」の第3巻にこんな場面がある。「銀行にあずけると利子がつくんだよ、10年で倍くらいになる」、そこから「20年で4倍、30年で8倍、100年だと1024倍にふえる」

同巻の第1刷は1974年。年7〜8%の金利がついた時代に描かれた。

親世代が貯金、貯金というのは彼らが経験してきた時代ではこのように貯金が合理的な選択だったからです。

複利の設問の正答率が低いことと、銀行の金利が低いことには関連はないでしょう。

米国のようにより細かいところまで教育をすれば金融リテラシー向上のきっかけになる人は多少は増えるかもしれません。
なぜなら、つまらない授業をそもそも聞く気になれないですし、教える側の先生がきちんと理解しているとも限りません。多忙な先生に期待する方が間違っているかもしれません。

よって、一番大切なのは家庭での教育です。投資に関しては最終的には自分事として捉えられるような少額での投資をして失敗、成功体験を積んでもらうのが一番です。

何事も自分事として経験しないうちは身に付かないですね。
ともに主体的に行動をして自分の人生を切り開いていきましょうね。
 
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