iDeCoで高コスト商品を買わされている問題 「楽天・オールカントリー」で解決か

各社ともに iDeCo (個人型確定拠出年金)で取り扱っている商品は、より低コストのインデックスファンドが販売されても新たに追加されることが少ないため、証券会社によっては高コストの商品を購入し続けなければいけないケースも多いです。

先日、楽天証券でiDeCoへの追加が発表された「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」はそのような方の救世主になるのでしょうか。

iDeCoで高コスト商品を買わされている問題は「楽天・オールカントリー」で解決か

楽天証券のiDeCoの商品に2024年1月26日(金)から「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」が追加されることになりました。

楽天証券、iDeCoに最安水準の「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」を追加
楽天証券の iDeCo(個人型確定拠出年金)に最安水準の2つのファンド、「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」が追加されます。

 

まず、現時点でのネット証券各社、iDeCoの商品構成はどのようになっているのか確認してみます。

信託報酬率が0.1%以下の買っても損することはないと思うインデックス型の投資信託(全世界株式、先進国株式、米国株式)を抽出しています。

■マネックス証券

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.05775%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.09889%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09372%

https://mst.monex.co.jp/mst/servlet/ITS/ideco/IDecoBrandList
■松井証券

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.05775%
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 0.05775%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.09889%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09372%

【松井証券】取扱商品一覧 | iDeCo(イデコ)
松井証券のiDeCo(イデコ)で取扱う商品についてご説明します。【松井証券】
 
松井証券とauカブコム証券の商品は今回初めて確認をしましたが、トップ3のSBI証券、楽天証券、マネックス証券については前回確認をした時から見事に変わってないです。
大手の会社ほど、よい商品が揃っていない傾向があることが分かります。
初めからコストが自動的に引き下げされる優秀な投資信託が揃っていれば問題はないのですが、
商品内容を見ると、投資家目線で投資してもいいと思える商品をきちんと揃えてくれている証券会社はマネックス証券と松井証券の2社だけでした。
iDeCo口座はNISA口座と違い、他社に変更するには様々な制約があるせいか、個人投資家もなめられたものです。こんなところもiDeCoを好きになれない理由の1つです。
楽天証券とauカブコム証券は今までは、おはなしにもなりませんでしたが、楽天証券については、「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」が1月26日から追加されます。
■楽天証券

楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド 0.0561%
たわらノーロード先進国株式 0.09889%
楽天・S&P500インデックス・ファンド 0.077%

しかし、下記の既存商品のコストを下げずに、新たに商品を作ってその商品をラインナップに加えるという楽天証券の方針がモヤモヤします。
 

楽天・全世界株式インデックス・ファンド 0.192%
楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.162%

他社も今まで、やってきたことではありますが、過去の行いからも信用度はかなり低くなっています。

まとめ

各社、iDeCoの商品をご紹介をしたところで楽天証券にiDeCo口座を持っている方にとって「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」が追加されることによって「iDeCoで高コスト商品を買わされている問題」が解決できるか考えます。

現時点では楽天証券にiDeCo口座を持っていています。そして、「たわら先進国株式」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を保有し、最低限の年間6万円分を「楽天・全米株式インデックス・ファンド」に投資しています。

この問題は認識しつつも、下記のような多くの手間やコストが発生するため、放置してきました。(^^;

iDeCoの証券会社変更のデメリット 投資信託は売却が必要?
iDeCoの証券会社を変更することは可能ですが、さまざまなデメリットがあります。変更を検討している方は、よく考えてから行う必要があります。

 

保有口座の中で一番最後に取り崩す可能性が高く、超長期で運用するiDeCo口座は全世界株式を購入します。選択肢としては下記の2つになります。

1.マネックス証券にiDeCo口座を移して「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を購入する

2.楽天証券にiDeCo口座を持ったまま、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を購入する

購入したいのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」ですが、面倒なのと、さらに口座を複雑にさせたくないので、
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を買ってもいいが楽天証券(楽天投資投信顧問)の信用はない。という状態です。
もし、今後、他社が全世界株式のコストを引き下げた時、過去の行いからするとコスト引き下げをしない可能性が高いです。
楽天証券のiDeCo口座でインデックス投資をしている方への結論です。
1.年齢が若く20年以上の長期で運用する方、比較的多くの額を投資している方

マネックス証券などにiDeCo口座を移し「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などの優良商品を購入。

2.中高年で60歳ぐらいでiDeCoを解約できる方、投資額が少ない方、手続きが面倒な方

楽天証券で「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などの優良商品を購入する

私の場合は1と2の中間なのが悩ましいところです。
なぜなら、会社の退職金をもらってしまうと、iDeCo解約時の退職金の非課税制度をフルで使うには、現時点では「退職金をもらってから20年間、空けなければいけない」という非常に意地悪なルールがあるからです。
iDeCoの加入年齢緩和により今後、この年数が更に引き延ばされる可能性もあります。
最低でも今後、20年ちかくはiDeCoを解約できないということです。死んでいる可能性も十分にあります。
投資金額はサラリーマン時の数年分程度で手続きが面倒なことなどにより、2の”「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を購入する” ことになるでしょう。
非課税口座は、iDeCoの制度改正がない限りは、NISAだけで十分です。
 
iDecoの加入年齢 65歳以上への引き上げは誰も得をしない理由
政府は個人型確定拠出年金 iDeCoの加入年齢を65歳以上に引き上げることを検討しています。
iDeCoと新NISAの使い分け方 老後資金はどっちを使う?
非課税制度であるiDeCoと新NISAは使い分けなどについて解説をします。
NISAとiDeCoの併用ではiDeCoを優先する?
「NISAとiDeCoではiDeCoを優先すべき」との記事を見かけましたので、両方実際に利用している者の立場として率直にNISAとiDeCoでのベストな資産運用方法について考えます。
iDeCo(イデコ) の手数料が高すぎる!ヤミが深い制度の早急な改正を
iDeCo(個人型確定拠出年金)はメリットばかりが取り上げられがちですが、証券会社の特定口座でインデックスファンドを購入する時には取れられないような手数料が取られたり、調べても分からないような制度の致命的な欠陥などのデメリットがあります。
 

コメント