意外にも?日本の富裕層の人口は世界2位です。世界の富裕層との比較で日本の問題が見えてきます。
LIMOさんの記事です。
【最新データ】「富裕層の人口」日本は世界2位。富裕層に共通するポイント3選とは 富裕層の資産の割合も見る | LIMO | くらしとお金の経済メディア
日本の富裕層人口は世界2位。今回は仏コンサルティング会社キャップジェミニ社の調査を元に、以前、金融機関で働いていた筆者がみた、富裕層に共通するポイントをご紹介します。
日本の富裕層の人口は世界2位
「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」によれば、2021年の世界のHNWI(いわゆる富裕層)人口は7.8%増え、その資産は株式市場を背景とする景気回復により8%増加しました。
※HNWI(High Net Worth Individual)とは「1百万米ドル(約1億円)以上の投資資産を保有」する人たちのこと。
「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」での2008~2021年、世界の富裕層のデータは以下のようになっており、2018年を除いて増加し続けています。
出典:THE WORLD WEALTH REPORT 2022
2021年のHNWI人口1~4位は米国、日本、ドイツ、中国。この4カ国で、世界のHNWI人口の63.6%をも占めています。
2021年の国別の富裕層の人口は以下のようになっており、日本はアメリカに次いで世界で2番目に富裕層が多いです。
1.アメリカ 746万人
2.日本 365万2千人
3.ドイツ 163万3千人
4.中国 153万5千人
5.フランス 77万5千人
6.イギリス 60万9千人
7.スイス 47万9千人
8.カナダ 43万9千人
9.オランダ 32万8千人
10.イタリア 32万2千人
出典:THE WORLD WEALTH REPORT 2022
富裕層が保有している資産の種類
世界の富裕層の2013~2022年の資産構成です。
2022年1月
株式:29 %
現金及び現金同等物:24%
不動産(住居を除く):15%
債券:18%
オルタナティブ投資:14%
これらの期間の資産構成について大きな変化は見られません。
世界と日本の富裕層の資産構成の違い
世界と日本の富裕層の資産構成の比較してみます。
世界と比較すると日本だけ明らかに資産構成に違いがあります。
・現金の比率がかなり高い
・株式の比率がかなり高い
・不動産の比率がかなり少ない
・債券の比率が少なめ
・オルタナティブの比率がかなり少ない
日本の富裕層に共通していること
筆者が語っている日本の富裕層に共通している事柄です。
1.時間をお金で買う
2.売る時にいくらで売れるかを考える
3.健康意識が高い
まとめ
「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」のデータから世界と日本の富裕層についてご説明をしました。
これらのデータから「日本の問題点」と「世界と日本の資産構成が異なる理由」について考察してみます。
※LIMO記事内の富裕層の定義として
「「1百万米ドル(約1億円)以上の投資資産を保有」する人たちのこと。」とありましたが、大幅な円安で
約1憶円という表現は不適当です。
※現時点の133円で計算をすると約1億3千3百万円以上が富裕層となります。
データから見える日本の問題点
世界と日本の富裕層をデータで比較し見えてきた問題点は、
・富裕層の増加ペースがかなり鈍い
ということです。
富裕層の2020年から2021年の各国の人口を再度見てみましょう。
富裕層の増加率(2020年から2021年)
1.アメリカ 13.5%
2.日本 3.2%
3.ドイツ 6.4%
4.中国 5.0%
5.フランス 8.5%
富裕層の増加率はトップ5はもちろんのことトップ10でも最低です。
この原因として考えられるのは、現金の保有比率が多いことです。
アメリカでは富裕層ではない一般の方でも株を資産として持つという文化がしっかりとあるので、保有し続けていれば富裕層になれる確率が高いですが
日本はご存じのとおり、現金が大好きな国民です。資産は現金の比率が高いと全く増えないどころか、減っていきます。
これが富裕層の増加率、アメリカ13.5%に対し日本3.2%と4倍以上も差が開いている理由です。
根本的な原因は、金融リテラシーが低いことです。よって現金比率が高くなっているのです。
出典:日興アセットマネジメント
世界と日本の富裕層の資産構成が異なる理由
日本の富裕層の資産構成には以下のような傾向が見られました。
・現金の比率がかなり高い
・株式の比率がかなり高い
・不動産の比率がかなり少ない
・債券の比率が少なめ
・オルタナティブの比率がかなり少ない
このデータから言えるのは日本の富裕層は株式で資産を作った方が多いということです。
ですので、リスクが高く値動きが激しい株式のリスクを抑える為に一定の現金を保有していると思われます。
オルタナティブの比率が少ないので、株式以上の大きなリスクは取らずに株式でコツコツと積み上げて富裕層になったというところでしょうか。
また、不動産比率が少ないのは海外と異なり、日本の建物は二十数年で0円となり土地だけの価格になってしまうという文化が少なからず関係していると思われます。
海外と比べると不動産投資の難易度は高いのでしょう。
ご紹介をした世界と日本の富裕層を参考にして資産を増やしていきましょうね。
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